市消防局は全国の消防機関として初めて、2月10日より衛星通信を使用した無線機を消防指令センターと津久井消防署へ配備した。この無線機により大規模災害で通信インフラが機能不全に陥った場合や、電波が入らない中山間部などでも安定した通信が確保できるようになるほか、救急・救助活動に必要な情報共有の円滑化も期待されている。
同局はこれまで、通信手段として携帯電話と、衛星電話、アナログ・デジタル無線機のみを使用していた。衛星電話は日本から見て南方位に配置されている静止衛星を通信に利用する持ち運び式の電話機で、南向きに障害物があると使用できず、電波を探知する作業を必要とするなど操作の難しさの面で課題があった。
それに対し、衛星無線機は66機の周回衛星を利用しているため方角に縛られずどこでも通信が可能で、操作も「通話」のボタンを押すだけと容易なのが特徴。携帯電話やアナログ無線機の電波が入らない中山間部や、大規模災害時に携帯電話の無線基地局が停止してしまっても安定した通信が可能となる。導入により、状況を問わず救急・救助活動で実働部隊と本部が情報共有を行うことができ、迅速な対応につながることが期待されている。加えて、同無線機が約360gと軽量なため、隊員の荷物の負担を軽減できる。
今回は山岳救助の場面での使用も想定しているため、統括を担う消防指令センターと旧津久井・相模湖・藤野を管轄する津久井消防署へ配置。現在、無線機は実働に向け訓練で使用されている。今後は従来の通信機器と併せて無線機を利用し、通信手段の多重化を図っていく。同局は「(導入により)市民の方からの救助要請にいち早く応えられるようになり、救急・救助活動がより向上する」と話している。
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