被爆体験を絵に
市立博物館で展示
5月25日
新鮮な野菜を身近に――。そんな思いで中央区内を移動販売車で走りまわる若者がいる。緑区在住の小川豊さん(27)だ。野菜を求め人が集まり、小川さんの姿に影響され農業を始める人が出るなど、販売開始から1年が過ぎた活動は地域に活気を生んでいるようだ。
「キュウリある?」「きょうは無いですね。ナスならありますよ」――。そんな小川さんと常連客とのやり取りが見られる移動販売車「つどや」の風景。販売車は月・水・金の週3日、中央区内の2カ所などに停まり、その日採れた地元野菜を中心とした商品が毎回20種以上並ぶ。
利用者からは「お手頃」「野菜だけはここで購入する」などの声が上がり、小川さんは「徐々に浸透してきた。買物難民という言葉が無くなるように始めた事業。より多くの方に利用してもらえるようになれば」と笑顔を見せる。
昨年6月から
小川さんが野菜の移動販売を始めたのは昨年6月。野菜の直売所を運営する会社に勤めていた際にその魅力を再認識し、「自分の手」で広めたいと考えたのが動機になった。
東京都出身の小川さんにとって相模原は縁のなかった地だったものの、前職で付き合いのあった市内農家の紹介もあり起業先にこの地を選択。
その農家らから定期的に野菜を提供してもらえる体制を整え、販売場所の確保にあたるなどして事業スタートに至ったと小川さんは振り返る。
影響広がる
右肩上がりの業績を支えているのが小川さんの野菜への思いだ。熱く事業の趣旨を語り協力を求める姿に自然と人が集まってくるようだ。
そんな一人が自身が経営していた整体院の駐車場を販売拠点として提供した榎本雅義さん(34)。小川さんと接するうちに元々興味をもっていた野菜づくりに取り組む決意が固まり、今年5月には、整体師から農家への転身を果たした。
「徐々に引き込まれて。今では小川さんと日曜日に朝市を行うようになりました」と榎本さん。そこでは親類から借りた畑で育てた野菜を並べているといい、「転身して良かったと思っています。自分で育てた野菜を購入してもらうのは格別の喜びがあります」
ラーメン店も
一方で、相模原にあるラーメン店、麵屋ひばりの石井孝茂さん(42)も小川さんに協力する。小川さんに「売り場」を提供するなかで、石井さんは「つどや」から安く地元野菜を仕入れ、店の食材として使用しているのだという。「野菜メニューを増やすことで常連のお客さまにひと味違う楽しみを提供できれば」と石井さんは微笑み、つどやから仕入れた野菜をメインとした新メニューを考えているところという。「今後も協力していきたいですね」
午前11時から
移動販売車「つどや」は運行する週3日の間、午前11時から正午までは榎本さんが運営していた整体院の跡地(横山台1の4の12)に。
午後4時から45分までは麺屋ひばり(相模原6の4の20)近くで販売を行う。問い合わせは小川さん【携帯電話】080・1072・1411へ。
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