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公開日:2026.06.18
大久保長安の顕彰碑 建立 次世代へ功績繋ぐ
江戸時代初期に八王子のまちの礎を築いた大久保長安(1545〜1613)。その功績を後世に伝えようと、大久保長安の会(鈴木泰会長)を中心とする有志の発起人で結成された「大久保長安顕彰碑を建てる会」(吉田美江代表)が、台町の浅間神社境内に顕彰碑を建立した。6月7日に除幕式が執り行われ、約200人の出席者に披露された。
長安は武田家に仕えた大蔵流猿楽師の次男として生を受け、武田家滅亡後に徳川家康へ仕官。江戸幕府成立期には奉行・代官として石見銀山(島根県)や佐渡金山(新潟県)などの開発、青梅街道や甲州街道などの主要街道や舟運の整備を行って、幕府の財政基盤を確立した。八王子でも宿場や街道の整備、浅川の氾濫を防ぐ「石見土手」の築造による治水事業を指揮。さらに武田家の遺臣を組織した「八王子千人同心」の結成にも深く関わるなど、現在の八王子の都市基盤と文化の骨格を形作る上で決定的な役割を果たした。
節目の年
長安の会の副会長として、これまで講演会やまちあるきイベントを通じて地道に啓発を続けてきた吉田さん。顕彰碑建立への強い思いの原点は、かつて訪れた石見銀山での感動にあった。「山中に長安の業績がしっかりと刻まれた石碑があり、地元の小学生たちが周辺をきれいに掃き清めて大切に守っていた。八王子にも同様のシンボルがあれば、たとえ自分たちの活動がいつか途切れるようなことがあっても、長安の功績を伝え続けられるのではないか」と考えたという。
大きな転機となったのは昨年。長安の生誕から数えて480年という節目の年であり、また長安の巳年の回り年にあたることから、「この好機を逃したら、もう建てることはできない」と本格的にプロジェクトを始動させた。設置場所として選んだのは、慶長年間に長安自らが勧請したと伝えられる浅間神社。「長安が精魂を込めて築き上げた八王子のまちを一望できる、境内の丘の上に建てたい」という熱い信念のもと、神社の氏子や市などの関係各所と根気強く協議を重ねて理解を得た。その後、市民や地元企業へ広く協賛金の協力を呼びかけ、昨年12月には地鎮祭を執り行って工事の無事を願った。
縁の地から祝福も
除幕式には、建てる会のメンバーや多くの協賛者が参列。来賓として地元選出の萩生田光一衆議院議員や初宿和夫市長をはじめ、長安が開発を手がけた縁から佐渡金山のある佐渡市の渡辺竜五市長、石見銀山のある島根県から「群言堂」創業者の松場大吉さんらも駆けつけて、歴史的な日を祝福した。除幕の瞬間には出席者から大きな拍手が沸き起こり、その後に大倉流の流れをくむ笛奏者・雲龍さんによる厳かな献奏が行われ、新緑の境内に美しい笛の音色が響き渡った。
「顕彰碑の建立は、長安の会発足前からの先人たちの悲願でもあった」と周囲の支援に深く感謝する吉田さん。「まちがさらに発展していくためには、自分たちのまちづくりの基礎を知ることが不可欠。400年前に八王子の礎を築いた長安の功績を、この碑を通じて次世代に伝えていければ」と思いを語る。同時に「まちあるきイベントの運営など、私たちの活動はとても楽しい。今後は若い世代にもぜひ仲間に入ってもらい、地元の歴史の伝承者となって未来へつないでほしい」と笑顔で未来を見据えた。
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