南林間中学校2年生の中村桃佳さん(14)が9月末、小学6年生の頃から胸に秘めていた決意を実行に移した。腰まで伸びた自身の毛髪を寄付する『ヘアドネーション』だ。本紙ではその様子を取材した。
※ ※
「ヘアドネ」の認知は、乳がんで亡くなったタレントの小林麻央さんが3年前に自身の闘病中のブログの中で「抗がん剤治療を始める前に長い髪を切ったときに思い立てばよかった。心残りで残念」と発信したブログの反響が大きい。近年も柴咲コウさんやダレノガレ明美さんなどが「ヘアドネ」したことをSNSなどで発信しており、10〜20代の若い女性が敏感に反応しているという。桃佳さんもインターネットで「ヘアドネ」を知り、「友達で寄付した子もいたので、せっかく切るなら」と小学3年生の頃から伸ばし続けていた自身の髪の寄付を思い立った。
桃佳さんの背中を押したのが、9月に商工会議所が開催した「まちゼミ」。美容室Ethical Hair(小宮山敬子代表・大和南2の1の16/【電話】046・240・6707)が『髪、寄付できるって知ってた?』とヘアドネをテーマに講座を開いていた。桃佳さんは、母の由加里さんに自らの思いを伝え、まちゼミに参加し、詳細を聞いてほしいと依頼。ヘアドネのことも、桃佳さんの思いも知らなかったという由加里さんは「そんなことを考えていたなんてと驚いた。でも困った人に喜んでもらえるなら」と協力。娘のために小宮山さんの美容室でまちゼミを受講、この日のヘアドネにつながった。
4年前に美容室を開業した小宮山さんは「何か社会貢献になることができないか」と2年前にNPO法人Japan Hair Donation&Charity(通称ジャーダック/www.jhdac.org)の活動に賛同、ヘアドネーションを行っている。ジャーダックは、頭髪に悩みを抱える18歳以下の子どもたちのため、寄付された髪だけで作ったメディカルウイッグを完全無償で提供。全国で3000以上の美容室が賛同店として加盟、市内でも小宮山さんの店舗の他2店舗が加盟している。
寄付には長さが31cm以上必要だが、パーマやカラー、白髪でも大丈夫。20人ほどの髪を集めて、ようやく子ども1人分のウイッグ(かつら)が出来上がる。小宮山さんはこれまでに約100人分の毛髪をジャーダックに送っている。
桃佳さんは肩に少しかかる部分まで約35cmをカットした。自らの毛束を手に「すごく軽くなった」と笑顔を浮かべた。毛髪は1か月で約1cm伸びる。現在中学2年生で卓球部に所属する桃佳さん。卓球は高校でも続ける予定で、高校で部活が始まるまでは切らないという。「その頃もう一度」と小宮山さんが水を向けると桃佳さんは「そのつもり」とばかりに笑顔でうなずいた。
市内のジャーダック賛同店は以下の通り。
hair shop PEACE(上草柳3の1の22/【電話】046・263・6789)
natural hair GLATO(大和南1の13の17/【電話】046・204・8162)
また別団体(NPO法人HERO)に加盟するガナーズヘアドレッシング(中央5の1の24/【電話】046・264・8727)などがある。
|
<PR>
大和版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>