徒然想(つれづれそう) 連載 262花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄
読者の皆様方におかれましては良いお年をお迎えの御事とお慶び申し上げます。
最初の月は少し長い文言で「怒らないことによって、怒りにうちかて、善いことによって、悪いことにうちかて、与えることによって、物惜しみにうちかて、真実によって虚言の人にうちかて」です。
出典は、インド、原始経典、『ダンマパタ』です。
意は、腹を立てて怒ったとしても、後でその怒りは正当であったと自覚する怒りはほとんどない。多くはつまらない事に腹を立てて、自分を見失って少しだけ、余裕があってもよかったのに、と反省するのは私たちのあり方です。
腹が立ったとき、怒らないようにしたい、怒らなければ、それによって怒りを克服できると、説いています。悪いことと自分の心に言いきかせ、本能とも思える心のうずきを我慢し、抑制しなければなりません。悪いことと、自分で思えば、その反対の善をなし、自分がケチだと思うなら、ケチでなくなるために人に与えなければならないのです。他人の虚言にうちかつためには、自分が真実を言い続けなければならないと、この文言は私たちを喩しています。
桃蹊庵主 合掌
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