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横須賀・三浦 社会

公開日:2023.07.14

戦中の球児マウンドに立つ
金谷の荒金さん、始球式登板

  • 灼熱の太陽が降り注ぐグラウンドで渾身の投球を見せた

    灼熱の太陽が降り注ぐグラウンドで渾身の投球を見せた

 かつての球児がもう一度夢の舞台に立った──。金谷在住の荒金寿郎さん(96)。7月9日に横須賀スタジアムで行われた高校野球神奈川県大会1回戦「三浦学苑─追浜」の始球式を務めた。

 荒金さんの当時の写真から「川崎工業」の書体を再現して新調したユニフォームに身を包み、キャッチャーミットめがけてしっかりとしたフォームでボールを投げ込んだ。

 1943年の県大会に荒金さんは川崎市立工業高校野球部の左翼手として出場。チームは優勝を果たして甲子園出場を決めたが、戦局の悪化により全国大会は中止されていた。

 「当時、野球の練習は心身の鍛錬が目的で『お国のため』。楽しむ余裕はなかった」と荒金さん。45年4月の川崎大空襲で校舎は焼け落ち、優勝杯と賞状を焼失。優勝記念写真が唯一の記録となった。

 終戦後に就職した会社が社会人野球チームを結成することになり荒金さんも参加。都市対抗野球やそのほかの大会で甲子園、西宮、後楽園の各球場でプレーした。

 今回、荒金さんがマウンドに立つ発端は80歳の頃に記した投稿文。衣笠公民館の教養講座に参加し、「夏の高校野球大会に思う」のタイトルで戦時下の青春とその後の野球人生を振り返り、最後をこう締めくくっていた。

 「県下大会の始球式に呼んでもらえるように夢をもち、健康を保ちたいと思う。」

 昨年、これらの文章を書籍化することになり、この一文が編さん者の目に留まり、県高野連に推薦したことで実現した。

 「久しぶりの感触を味わった」と荒金さん。満足気な表情を浮かべて静かに笑った。

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