横須賀・三浦 スポーツ
公開日:2024.01.01
挑戦の先を掴みにいく
ウインドサーフィン(iQフォイル) 須長由季さん
ウインドサーフィン競技で東京五輪に出場した須長由季選手(田浦町在住)は2大会連続へ意欲を見せる。
新型コロナの影響で異例の1年延期となった前大会は活動を継続するための資金難に直面し、緊急事態宣言下でトレーニングの機会を奪われるなどハプニング続きだったが、自国開催(大会会場は江の島ヨットハーバー)のアドバンテージもあり総合12位の成績。「思い切り戦い抜いた」という満足感を得ることができた。
ただこれで終わりとはせず、勝負魂に火をつけたのが新艇種の存在だ。世界のウインドサーフィンレースの主流となっている「FoiL」(フォイル)と呼ばれる水中尾翼を備えたボードに五輪の公式艇が切り替わり、新時代の競技に挑戦意欲をかき立てられた。
同じウインドサーフィンといえども、以前のものとは乗り方も戦術も大きく異なる。新艇種はスピード性能が増しており、レースが高速で展開していくため瞬時の判断が勝負の明暗をわける。
「これまでの経験を活かせる場面も少なく、とにかくどれだけ新しいことを吸収できるかの毎日」。正味3年間で世界のレベルに到達させるのは至難の業であり、「海外選手に負けていないのは170cmの大柄な体格だけ」と冗談を飛ばすが、焦りと不安を感じている。
世界の舞台を知っている
現在、国内選手の中ではトップに絡む位置をキープしているが、パリ五輪出場を果たすには4月に開かれるフランス大会で日本の出場枠(国枠)の獲得が必須。1月と4月に控える国内の代表選考レースとともに乗り越えなければならない壁が立ちふさがっている。
競技に打ち込む環境をつくっていくことがアスリートに求められる資質となる。所属するミキハウスでは前回まで選手兼社員の立場で練習時間の確保に苦労したが、現在は専念できる部門への異動が叶い、フルタイムセイラーに。言い訳できない環境で五輪キャンペーンに挑んでいる。
20年超となる選手活動のモチベーションは単純かつ明快。「新しいことへの挑戦。今できる精一杯を出し切って悔いを残さない日々を過ごすこと」だという。
「器用ではなく練習量でカバーするタイプ」と話す通り、努力を続けることができる才能の持ち主。残りの準備期間でどこまで仕上げることができるかが鍵となる。
2012年の北京、先の東京五輪と、世界の舞台に立つ感動と興奮を知っている。だからこそ代表の座は譲りたくない。パリを吹き抜ける季節風「ミストラ」の風に乗る。
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