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公開日:2026.07.24

横須賀市自然・人文博物館 155年ぶりナウマン里帰り 科博巡回展、全国に先駆けて

  • 155年ぶりの里帰りとなったナウマンゾウの下顎化石

    155年ぶりの里帰りとなったナウマンゾウの下顎化石

 横須賀市自然・人文博物館(深田台95)で7月18日から、国立科学博物館との共同企画による特別展示「未来へつなぐ博物館」が開かれている。博物館の根幹を支える標本や資料を「集める」「残す」「調べる」「伝える」という4つの営みにスポットを当て、そこに携わる人たちの想いを展示物などを通してメッセージを届けている。

 同展は、国科博が2023年に「地球の宝を守れ」をスローガンに掲げ、運営資金不足を補填する狙いで行ったクラウドファンディングを契機とする。全国で展開される巡回展のトップを切る最初の会場として、市博が選定された。

 最大の目玉は、入口正面に設けられた「里帰り展示」。1867年、横須賀製鉄所の建設工事中に発見された「ナウマンゾウの下顎(あご)化石」の実物が飾られている。日本国内におけるナウマンゾウ発見の「第1号」であり、地質学史上極めて貴重な資料となっている。関東大震災以降、現在は国科博と学習院中高等科の2カ所に分かれて保管されているが、今回は両機関の協力により、レプリカではない「本物の化石」が約155年ぶりに発見の地である横須賀へ持ち込まれた。開催前日の内覧会で、市博地球科学担当の柴田健一郎学芸員は「これほど貴重な資料を展示できるのは、博物館が『未来に残す』という仕事を実直に続けてきた証。その迫力を生で体感してほしい」と話した。

 会場内はテーマごとに色分けされ、子どもたちの目線に合わせた特製ケースが並ぶ。解説パネルには、質問に対して学芸員の解説とともにキャッチコピーが添えられ、専門知識がなくても直感的に楽しめる工夫が凝らされている。国科博植物学担当の海老原淳学芸員が「博物館としてはあるまじき姿だが、あえて展示した」と紹介するのは、害虫のタバコシバンムシに喰い荒らされ、跡形もなくなってしまった植物標本。資料を未来へつなぐためには、膨大な手間と空調管理などのコストが不可欠であるという「博物館の裏側のリアル」を赤裸々に伝えている。過去150年分のヤマザクラの標本から開花日を分析した展示では、直近の30年間で開花時期が約10日も早まっているというデータを示し、過去の標本の蓄積が現代の地球温暖化を証明する貴重な鍵になっていることを解説している。

 このほか、24年の国科博特別展で話題を呼んだ「ミヤマアカネ」の40倍全身模型や地域の近縁種とのわずかな違いを目で見て学べる比較模型も展示。砂の中から化石を探し出す「発掘体験」や重ね押しで標本づくりの工程を学ぶスタンプラリーなど、子どもたちが研究者の視点を疑似体験できるコーナーもある。

 7月26日(日)には、「科博のシゴト&市博のシゴト」をテーマにした講演会もあり、国科博職員で巡回展監修者の神保宇嗣博士が講師を務める。午後2時から4時で当日先着80人。

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