三浦 文化
公開日:2023.07.07
菊名・飴屋踊り
伝統受け継ぐ子どもら稽古
今秋奉納に向けて準備着々
菊名地区に伝わる神奈川県指定無形民俗文化財「菊名の飴屋踊り」が10月23日(月)、白山神社の例祭で奉納される。コロナ禍で中止を余儀なくされていたが、5類移行に伴って4年ぶりに上演。今年は大人に交じって13人の子どもが舞台に上がる予定。本番に向けて6月中旬から菊名区民会館で、同保存会(池田絹代会長)メンバーの指導を受けながら稽古に励んでいる。
飴屋踊りは、江戸時代に村々を回って飴を売り歩いた「飴与三」が人寄せのために演じたのが始まりとされる。リズムをとりながら踊る「手踊り」とストーリー性のある「段物」があり、地元の伝統芸能として住民らに親しまれてきた。
しかし、人口減少や高齢化などで2007年まで約20年間、上演できない時期もあった。古くからの慣例は女人禁制だったが、「郷土文化の灯を消す訳にはいかない」と女性たちが中心となって復活した。現在では、子どもたちも参加する中、保存会メンバーが継承に熱を入れている。
「首を曲げて」「目線はあっち」「反対」「慌てないで」――。6月28日の夜、稽古場には女性陣の声が響いていた。浴衣を着た子どもたちは、船を漕ぐ櫂(かい)や傘を持ち、唄に合わせながら繊細でしなやかな動作を何度も反復。一心不乱に身体で覚えようとしていた。最年少(小学3年)の一人である藤原朝日くんに調子を聞くと、少し間を置いてから「出だしが難しい。でもおもしろい」と照れ臭そうに笑った。
地域の絆をつなぐ大舞台。指導にあたる保存会の池田会長は「踊り手と観客が一体となる瞬間がある。その盛り上がりを子どもにも体感してもらいたい。ずっと踊りを続けてほしいから」と慈愛に満ちた瞳で語った。
菊名区民会館前広場を会場に、午後7時から上演。手踊り『白松粉屋』『こども子守』や段物『笠松峠』『五段目』など7演目が披露される。
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