三浦半島 草花歳時記 第52回 ふるさとの樹木「スダジイ」 文・写真 金子昇
土地開発等がなかった古い時代には、温暖な三浦半島の丘陵地では「スダジイ」、低地(谷あいを含む)では「タブノキ」が繁っていました。しかし、現在では農地の片隅に残った山林内に、スダジイとタブノキがまばらに生育しているだけになりました。
「スダジイ」は、三浦市内では海岸に近い尾根筋に若干生育しており、高さ20〜30mにも及ぶ乾燥に強い高木常緑広葉樹です。初夏淡黄色の雄花序と雌花序が別々に咲き出します(雌雄同株)。果実は秋になっても大きくならず、翌夏急速に成長し、その秋に成熟します。果実は蓑状の殻斗に覆われ、熟すと三裂し、可愛いドングリが顔を出します。樹皮はタンニンが多く、草木染や魚網の染料等に利用されます。
また関東地方では江戸時代、家の外周に防風、防火用として植えていました。
昨年12月のよこすか新聞に「光照寺のスダジイが日本樹木遺産に認定」という記事が載っていました。
|
|
|
|
|
|