逗子市が2020年度中の開設を目指している総合病院誘致計画が1年以上遅れることとなった。市は引き続き開設を目指すとするが、その時期や病院体制については依然、不透明な部分が多い。
先月末に県の保健医療計画が発表され、今年度から6年間の「基準病床数」が示された。これによると、横須賀・三浦二次保健医療圏(横須賀・鎌倉・逗子・三浦・葉山)においては50床過剰となり、現在109床を割り当てられている選考法人葵会に対する病床の追加配分は見込めない状況となった。
ただ、20年に中間見直しを実施するほか横浜、川崎北部、横須賀・三浦二次保健医療圏では医療需要が増加することが見込まれる地域として毎年度、基準病床数の見直しを検討する。
この病床数は当該地域の行政や医療、福祉関係者ら37人からなる「三浦半島地区保健医療福祉推進会議」で検討される。今年2月の会議で「医療従事者の不足により横須賀三浦地域で稼働していない病床が349床あり、これらを活用できるようするのが先決」と結論が出たため、今後、同医療圏で新たに開設する病院への増床が見込めるかは不透明だ。
医師確保の課題も
また、病院体制について不安視する声も挙がる。逗葉医師会は「小児救急や夜間救急の機能を持つ病院誘致には賛成。ただ医師や看護師の深刻な人手不足が叫ばれている中、本当に救急を含めた市民の求める医療を提供できるのか。病院建設ありで建てた後にできませんでは済まされない」と危惧する。
市は「葵会とは現状を共有している。当地域の基準病床数は毎年検討するとのことなので、引き続き市民が求める病院の開設に向けて準備を進めていく」としている。
4度目の挑戦となる総合病院誘致は、横須賀共済病院分院の閉鎖に伴い「横須賀・三浦医療圏」の病床数が175床不足したことを受けて16年9月にスタート。候補地は沼間3丁目の市有地約2万2千平方メートルで、土地を無償貸与するかわりに運営費や建設費は負担しない方針で、救急を含める総合的な機能を有する200床以上の病院を公募し2法人が応募。選考の結果、全国で病院や介護施設など120施設を運営する医療法人社団葵会に決定。翌年4月、県が葵会に109床を配分し、今年度の県医療保険計画改定で不足分を確保し、早ければ20年度中の開設を目指していた。
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