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公開日:2026.07.17

葉山町上山口 棚田の歴史 肌で感じて 県事業の一環 古民家宿始動

  • 改修した古民家の前に立つ沖本さん

    改修した古民家の前に立つ沖本さん

  • 棚田の歴史 肌で感じて (写真2)

  • 豊かな自然の中に構える

    豊かな自然の中に構える

  • 22畳の和室

    22畳の和室

  • ライブラリールームもある

    ライブラリールームもある

 地域一体をホテルに見立て、滞在型観光の一手とする神奈川県の事業「地域まるごとホテル@三浦半島」。これまで横須賀市と三浦市の一部でスタートしていたが、7月1日、県内4番目となる「葉山棚田エリア」がオープンした。同町上山口にある築80年超の古民家を改装した宿泊拠点「わたや」を軸に、豊かな里山文化を五感で味わう多彩な体験プログラムが用意されている。

 「稲作文化という記憶を引き継いでいく一助に」-。運営者の沖本裕一郎さんはそう語る。都内に住む沖本さんは2018年頃から海の魅力に惹かれ葉山に通うようになった。次第に地域住民との関わりも増え、山側に残るもう一つの葉山の姿に出合う。それが、400年以上続いてきた上山口の棚田だ。

歴史をまるごと体験

 しかし、そこにあったのは営農者の高齢化や後継者不足という現実。「このままでは日本の大切な景観や文化が消えてしまう」と危機感を抱いたことが、この事業に着手する原動力となった。

 そんな思いから昨年、空き家になっていた同物件を購入。土地は約600平方メートル、建物は平屋建ての約120平方メートルで、一部の建具や梁はそのまま生かしながら和モダンなスタイルに改修を施した。

 沖本さんのほか、周辺の連携事業者とともに運営を行う。目玉となる棚田での体験は、稲刈りや脱穀、手で苗を植え直す補植など、時期によって変更していく。宿の周辺に自生する野草を摘んで楽しむ野草茶づくりや、竹細工、地場産の食材とレシピを提供して自ら調理してもらうプログラムも用意。別の地域で獲れた玄米を精米して土鍋で炊いて食す体験もある。

 また、かつてこの家では綿の生産が営まれていた。その歴史を継承する形で敷地内で栽培した綿を使ってワークショップに活用していく考えだ。

地域交流のハブ

 地域住民の交流の場としての役割も重要視しており、オープンに先立つ6月中旬には、周辺の地域住民らが同施設に集まり、料理をして楽しむイベント「だんらん上山口」の第1回を開催。周辺のシニア層を中心に約30人が集まった。「地域に住まう人たちをつなぐ交流の場にもしていけたら」。また、子どもたちの里山学習の場としての活用も視野に入れているという。

 宿泊は一棟貸し。料金は時期により変動するが、1組4万5千円(2人から)。詳細は各種予約サイトで検索する。

上山口の棚田

 山の斜面に沿い、段々に整備された棚田。営農者の耕作努力によって保全されており、2000年にはここで収穫された米が皇室の新嘗祭に献上された。09年には「にほんの里100選」にも選出されている。

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