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逗子・葉山 文化

公開日:2023.01.01

卒寿迎えても飽くなき創作意欲
心に染み入るような作品届け
葉山町在住 首藤教之さん

  • 葉山まちづくり館で開催されていた展示を前にインタビューに答えた首藤さん

    葉山まちづくり館で開催されていた展示を前にインタビューに答えた首藤さん

 カラフルな色使いに可愛い造形。葉山まちづくり館で先月まで、開催されていた「首藤教之展」。訪れた人を魅了した作品は一見するとポップだが、反戦への強い思いと人間への優しい眼差しが根底にあった。作品に込める思いを首藤さんに聞いた。

 首藤さんは1932(昭和7)年生まれの現在90歳。13歳で終戦を迎え、鎌倉に長年住み、3年前に家族の勧めもあって葉山に移り住んだ。

 長年、グラフィックデザイナーとして仕事をしてきた首藤さん。「紙とえんぴつの時代でいろんなことをやった。自治体の広報誌を作っていたこともありますよ」と振り返る。本業のかたわら、ライフワークの制作も続けた。「権威や時代に流されることなく、やりたい表現をして共感をしてもらえたら何より」。創作の原点に根差した哲学は今もブレることはない。

「希望忘れないで」

 現実を直視すれば、気候変動や戦争、日々の生活や先の見えない将来など気分が落ち込むことばかりだが、展示を見た女性は「見ているだけで心が温かく、元気になってくる」と語る。明るい色使いに可愛らしい造形やデザインには、13歳まで戦争の時代を過ごした首藤さんの反戦への思いと、それでも人間が好きという優しい眼差しが詰まっている。「兄や姉は戦争がなければ死ぬことはなかった」。自身の体験についてはあまり多くを語らないが、「戦争は人が始めて人が終わらせる。だからこそ、ひとりひとりの気持ちで変わるもの」と力を込めて話す。

 ただ、表現方法は説教じみたものではなく、あくまで自由で軽やかだ。身近な材料を使うのも特徴で「楽しそう」と心の琴線に触れたものは段ボールや空き箱などでも先入観なく取り入れる。「この前咲いた自宅の庭のカラスノエンドウがとっても楽しげな形だった」と最近の作品のモチーフについて笑顔で語る様子は、宝物を見つけた少年のよう。「人間とは愛すべき存在であり、希望は捨てないようにと伝えたい」。これからも、1人の芸術家として世界とつながり、心に寄り添う作品を生み出す。

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