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藤沢 社会

公開日:2026.06.26

自治の未来 藤沢市が描くウェルビーイング 「健康寿命日本一」への挑戦

  • 「藤沢市市政運営の総合指針」の表紙

    「藤沢市市政運営の総合指針」の表紙

 藤沢市が、これからの時代を見据えた市政運営を本格化させている。新たなビジョン「市政運営の総合指針2028」と鈴木恒夫市長の過去の言葉から見えるのは、都市開発の枠を超え、市民一人ひとりの「ウェルビーイング(精神的・身体的・社会的に満たされた状態)」を実感できる持続可能なまちづくりへの決意だ。全国的な人口減少が進む中、市の人口は2035年に約45万4千人でピークを迎えると推計されているが、人口減の局面に入る前の限られた時間で、市はどのように市民の幸福度を維持し、向上させていくのか。その戦略に追った。

2040年問題

 足元の財政は良好な状態を保っている市だが、団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年を見据えた危機感は強い。

 少子超高齢化に伴う社会保障関係経費の増大が課題だ。特に児童福祉や障がい者福祉などに充てられる扶助費は、23年度までの10年間で約1・6倍となる約541億円に膨らみ、歳出全体の3割以上を占める。これに高度経済成長期に整備された公共施設や都市基盤の老朽化が一斉に進み、近年の資材高騰が追い打ちをかける。普通交付税の不交付団体である市にとって、ふるさと納税による減収が純減となるなど、歳入の伸び悩みと財政の硬直化は深刻だ。

 こうした現状に対し、鈴木市長は、経済的価値観の追求ではなく、「私」から「私たち」という複数形を意識した人と人とがつながる施策展開が必要不可欠であるとの認識を示す。

技術で支える

 厳しい制約を突破しようと、市は「サステナブル」「インクルーシブ」「スマート」を融合した「3つのまちづくりコンセプト」を打ち出した。中核には、自然の強みを生かす持続可能な視点と孤独・孤立を防ぐチームワークへの転換がある。

 推進力は、最先端テクノロジーだ。まち開きから10年を迎えた「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン(SST)」では、民間企業や住民との連携で環境・健康・つながりをテーマにしたスマートシティーが稼働している。

 また村岡地区の「湘南アイパーク」を中心とした研究開発拠点では、産学官の結集による最新技術やビッグデータを、在宅医療・介護分野へ還元するヘルスイノベーションが加速。担い手不足が深刻な建設部門ではDXを導入し、公共施設の長寿命化と行政運営の効率化を両立させている。

顔の見えるケア

 ウェルビーイングの基盤は日々の安全・安心だ。市民意識調査でも地域防災への重要度は高い。市は切迫する巨大地震や激甚化する風水害への適応策として、強靱なまちづくりを急ぐ。片瀬海岸3丁目での津波避難施設の整備や避難所での飲料水、電源の確保など、発災時でも尊厳ある生活を送れる環境改善に努めている。

 複合化する地域課題に対応するため、「藤沢型地域包括ケアシステム」を重層的支援体制へと深化。13の行政区域にある市民センターを多様な人々が出会い、つながる拠点として機能させる。互いを支え合う地域共生社会を築くことで、誰もが健やかに暮らせる「健康寿命日本一」への歩みを進めている。

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