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公開日:2026.06.12

還暦の名店ビル、映画で記録 藤沢ゆかりの監督がメガホン

  • 映画のワンシーン(上・藤本さん提供)とフジサワ名店ビルの前に立つ監督の一人、藤本さん

    映画のワンシーン(上・藤本さん提供)とフジサワ名店ビルの前に立つ監督の一人、藤本さん

 藤沢駅南口の象徴で、昨年還暦を迎えた「フジサワ名店ビル」を舞台にした映画制作がスタートした。メガホンを取るのは、藤沢に住む映画監督の藤本東子さん=人物風土記で紹介=と鈴木順也さん。タイトル『名店にて』と銘打ち、老朽化に伴い建て替えが予定されている思い出の地を記録しようと4月から撮影を始め、5月からは毎月ビル内で短編シリーズの撮って出し上映会を開くという一風変わった手法が話題を呼んでいる。

 きっかけは、藤本さんが他館の上映会で目にした光景にあった。すでに閉店したレストランを描いた映画を見た客が、「思い出の店に映像の中で再会できて救われた」と涙ぐむ姿に深く心を動かされた。

 「名店ビルもいずれは姿を変える。今そこにある当たり前の日常を映像に残したい」

 そんな折に出会った鈴木さんは、自身の思いに共鳴してくれた。2人はビル内でアート発信を続けるプロジェクト「ランドスケープシアター」の企画・運営を手掛ける木津潤平さんに相談。駅前の391街区で多彩な人物が表現するレジデントアーティストに選ばれ、話は一気に加速した。

みんなでつくる

 本作は、監督それぞれの視点で描いていく。藤本さんはビルの内部に潜む人間模様に焦点。屋上にあった観覧車の記憶など、実際の歴史からインスピレーションを得たフィクション劇を紡ぐ。

 映画は来年3月の完成を目指すが、それまでのプロセスは地域を巻き込んだイベントに費やす。藤本さんとは異なるビルの外部を担当する鈴木さんは、市民参加型ワークショップを企画。参加者との対話を通じ、脚本から作品を形にしていく。

 ユニークな取り組みに木津さんは「藤本さん、鈴木さんの『巻き込み力』に驚いている。どんどんお店を開拓しながら、ビルの人たちを笑顔にしていく様は、アートがまちの触媒になっている証」と太鼓判を押す。藤本さんは「少しでも面白そうと思った人なら誰でも歓迎。みんなでつくる、みんなの財産になるような作品にしたい」と参加を呼びかけている。

 映画制作ワークショップは6月15日(月)、映画の一部分を流す次回の上映会は7月4日(土)に開催。また現在映画の出演者も募っており、7月9日(木)と17日(金)にオーディションを実施する。

 参加方法や上映の詳細は『名店にて』公式サイト、またはInstagramから。問い合わせはメール(meitennite@gmail.com)。

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