市内梶原の葛原岡神社(長岡仁志宮司)の神職・巫女らは3月3日、近隣住民とともに由比ヶ浜海岸を清掃した。これは、同社で取り扱う縁結びのお守りに同海岸のさくら貝を使用していることから行われたもの。近年、同海岸で採れるさくら貝は減少傾向にあり、関係者は「きれいな海岸を取り戻し、恩返しをしたい」と話している。
葛原岡神社の「良縁結び・さくら貝御守」は同社に祀られている「男石・女石」にちなんだお守りとして、4年ほど前から奉製されている。由比ヶ浜海岸で採取したさくら貝を根付に加工。合わせ貝を用いることで良縁への願いが込められているという。
このお守りがインターネットや雑誌で「縁結びにご利益がある」と取り上げられたことから販売数が急激に増加。同社神職の神谷健一郎さんは「この1、2年で若い女性の参拝者も増えてきている」と話す。
そこで同社は「貰いっぱなしではなく海に恩返しをしよう」と海岸清掃を企画。当日は近隣住民にも呼びかけ35人が集まった。参加者らは鎌倉ゆかりの作曲家・八洲秀章氏の「さくら貝の歌」の石碑の周辺を中心に、20袋ほどのゴミを拾った。長岡宮司は「多くの方に協力して頂いてありがたい。今後も清掃活動を続けていけたら」と話した。
さくら貝減少に危機感
「昔は1日に100枚程度のさくら貝が採れたけれど、最近はせいぜい2、3枚しか採れない」と話すのは、材木座在住の仲村公一郎さん。会社を定年退職した10年ほど前から海岸の散歩を日課としており、その際にさくら貝を採取している。集めた貝を用いて皿や陶器といった作品を作っており、葛原岡神社のお守りも仲村さんが作ったものだ。
仲村さんは「これだけはっきりと減少しているのは環境の変化があるのかもしれない。また、さくら貝が多く見られる海岸に戻るよう、清掃に協力していきたい」と話した。
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