鎌倉市は、来年春頃をめどにJR北鎌倉駅ホームに「仮改札」の開設を目指している。同駅に隣接する素掘りのトンネルの安全対策が実施されるまでの間、駅を利用する学生や地域住民の利便性向上を図る。
JR北鎌倉駅下りホームの大船側に昨年6月、臨時改札口が設置された。
同駅に隣接する素掘りのトンネルが同年4月、岩の剥落による危険などを理由に通行止めとなり、駅を利用する大船高校の生徒らが迂回路を通るなどしなくてはならなくなったため、市がJRに要望し実現した。
ただ臨時改札口が利用できるのは降車時のみで、時間も午前7時30分から8時30分の間。トンネルの安全対策実施が遅れていることから市は、学生や地域住民が強いられている不便を緩和する必要に迫られている。
そこで新しい「仮改札」では、時間を延長、ICカードで乗車時も利用できるようにする。工事はJRが実施するが費用を負担するため、市は市議会12月定例会に提出した補正予算案に7100万円を「債務負担行為」として設定。市道路課では「来年春頃の開設を目指したい」とする。
同駅そばのトンネルをめぐっては、市がいったんは「開削」による安全対策の実施を決定した。
しかし文化庁からトンネルが掘られた尾根の文化財的価値を検証するよう求められたことなどを受け、市は工学や文化財の専門家による「安全対策検討委員会」を設置。11月10日に第1回の会合が開かれ、ライナープレート(波型の鋼板)でトンネル内部を補強する仮設工事案が了承された。
市は今後、地権者との交渉を経て工事を実施したい考え。松尾崇市長は11月28日の定例会見で「工事を始めることができれば、来年の夏すぎには完了し、通行できるのでは」とした。また仮改札は、安全対策が実施された後に閉鎖する予定という。
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