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茅ヶ崎・寒川 社会

公開日:2022.03.11

記者レポート【後編】
バッグで気軽に生ごみ処理
堆肥と内袋で野菜作りも

 いよいよ4月から燃やせるごみの有料化がスタートする。市内で子育て中の記者Oは、昨年から2種類のコンポストを用意し、家族で生ごみ削減に取り組んでいる。【前編】で紹介した木製コンポスト「キエーロ」に続いて、【後編】では「トートバッグ型コンポスト」についてレポートする。

 生ごみを微生物の働きで分解して堆肥にする「コンポスト」。賃貸住宅や庭のないマンション暮らしの人にとっては、ハードルが高いだろう。

 そんな人でも気軽に利用できるのが「トートバッグ型コンポスト」だ。バッグに内袋を入れる2層構造で、その内袋に観葉植物用の土のようなオリジナルの基材を入れたら準備は完了。あとはキエーロと同様、生ごみをシャベルでまんべんなく混ぜ合わせるだけ。

内袋がプランターに

 数カ月後に堆肥になったら、内袋ごと取り出し、そのまま野菜を育てるプランターに早変わり。「生ごみ投入→堆肥→野菜を栽培→食べる」という環境にやさしいサイクルを家庭で無理なく続けられるのが、最大の魅力だろう。家庭菜園で処理しきれない場合、堆肥を引き取り、農家へ届けるサービスを行っている取扱店もあるという。

 説明書には「1日あたり3〜400g約2カ月間投入でき、その後2〜3週間で栄養価の高い堆肥になる」とある。しかし、野菜と果物の消費が激しい我が家の場合、毎日となると、さすがに分解が追いつかない。そのため、バッグ2つとキエーロとを併用し、何日も放ったらかしに。そのせいか、今のところ堆肥化には至っていない。

密閉し臭い・虫防止

 完全密閉ができる特別仕様のファスナーが採用されているだけあって、臭い漏れはほぼ無し。

 我が家では、さらに内袋をクリップで隙間なくしっかり閉じているほか、プランタースタンドに置いて通気性を良くしているので、虫の侵入も防げている。

 こうした設計もさることながら、素材や縫製が上質で、デザイン性に優れている点も魅力だ。キッチンやベランダに置いてもスタイリッシュで映えるため、女性やインテリアにこだわる人から支持を集めている。

 かく言う私も、デザイン性に惹かれて購入。また消費者の「買う責任」として、素材がペットボトルと廃プラスチックを再利用したものであることも、決め手になった。

微生物の活動で温かく

 毎回、息子と楽しみにしていることがある。それはバッグがほかほかと温かくなってくること。微生物による分解が活発になっている証だ。

 ごみを出さないエコな生活は、子どもから湧き上がる「わくわく」や「なぜ」といった科学への芽生えや食育、情操教育にもつながっている。

キエーロと比べ高コスト

 コンパクトなバッグ型は、かさが増えるペースが早い。そのため、2つ目が必要になることも。また、継続するには基材の追加(送料込みで約2000円〜)が不可欠でコストが掛かる。一方、キエーロは黒土を追加する際の数百円で済む。

 数あるコンポストの中から、どのタイプが自分のライフスタイルに合うのか。それを探すのも、醍醐味の一つ。皆さんも楽しみながら家庭内ごみ処理に挑戦してみては。

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