学芸員のイチ推し! -連載 Vol.2-
水田に飛来する冬の貴婦人「タゲリ」
水田は人が作物を生産するために作られた半自然環境で、コメ作りだけではなく、多くの生きものの生息場所にもなっています。
このはく製の鳥は「タゲリ」と言います。日本で越冬するためにユーラシア大陸の中緯度から渡って来る冬鳥で、10月下旬〜3月上旬ごろまで滞在します。地面が適度に湿っている湿地を好み、水田や休耕田などの農耕地に群れで飛来します。
頭にある数本の細長い冠羽(かんう)や、背中・翼の紺・緑・赤紫色の綺麗な金属光沢が目立ち、冬の貴婦人とも称されます。ふわりふわりと特徴がある飛び方で、ミューと猫の様な声で鳴きます。主にミミズや昆虫、カエルなどの動物を食べますが、植物の実なども食べます。
以前は市内の農耕地に数十羽舞い降りていましたが、近年はまとまった飛来はなく、市内の田畑ではほとんど見ることができません。
博物館の基本展示には17のテーマがあり、年に数回展示が入れ替わります。タゲリが展示される「田舟のあった風景」は2023年1月以降に展示されます。ぜひ足をお運び頂き、実物をご覧ください。
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