目標はアジアトップ指導者

　○…フットサルのトップリーグ「Ｆリーグ」を戦う湘南ベルマーレのトップチームコーチに、今シーズンから就任した。女性指導者の誕生はクラブだけでなくリーグとしても初めて。「正直プレッシャーは大きい」と苦笑するが、「やるべきことを着実に進めてシーズンに入った」と自信を覗かせる。現在チームは４位。セットプレーなどの戦術面に加え、豊富な経験を伝えることで支えている。

　○…中高時代に熱中したバスケットボールで日本代表を目指すも大学ではベンチ入りも叶わず。卒業後、千葉県で高校教諭をしていた時に出合ったのがフットサルだった。「ボールにたくさん触れることができるのが何より楽しかった」と当時を振り返る。トップ選手として活躍し、所属チームで国内大会を何度も制したほか、ブラジルやスペインでもプレー。27歳の時、新設された日本代表の主将に選出されるなど、女子フットサル界をけん引した。

　○…32歳まで現役を続けた後、指導者の道に。その時に掲げたのが「アジアナンバーワンの指導者になる」という目標だった。クラブチームのほか、２０１７年から３年間ブラインドサッカー女子日本代表コーチも経験。ベルマーレのオファーを受けた際には「５年後にアジアナンバーワンを目指す」というビジョンを聞き「目標に近づくにはここしかない」と決断した。

　○…「生まれ育った茅ヶ崎が落ち着く」と笑う。15年に地元でフットサルクラブを立ち上げ、小中学生の指導に当たるが、子どもたちの様子が気がかりとも。「スマホが普及して、意識がより内向きになっている気がする。成功した喜び、失敗から学ぶ大切さなど、実体験から学べることを伝えていきたい」