教育は"未来のための基礎"

　○...中学校教諭として、長い間子どもたちの成長を見守ってきた。さまざまな能力を身に付け力強く生きていく過程に携われることを「うれしいよね」と満面の笑みで表現する。「教育は未来のための基礎」と言い、教育行政としてそのための一歩をしっかりと整えていきたいと襟を正す。町内３中学校で教壇に立った後、教頭や校長、湘南三浦教育事務所教育指導員、町教育委員会委員を歴任。「教員時代にたくさんの成功も失敗も経験してきた。伝え、考え、職員一丸となり寒川の教育がより良くなるよう取り組みたい」

　○...寒川で生まれ育つ。「勉強が嫌いだった」少年に転機が訪れたのは小学校高学年の時。近くの公園で拾った石を担任に見せたところ、貝殻の化石だと分かり「すごく褒められた」。そこから理科に興味を持つようになり、大学は海洋学科で学んだ。１９７６年、理科教諭として故郷の教壇に。子どもたちの好奇心に火をつけることができれば、ぐんと伸びていくことを自身の経験から知っていたからこそ「楽しく理解できる授業を目指した」。そのためには「事前準備が大切。頑張ってほしい」と教諭たちにエールを送る。

　○...子どもは独立し、現在は妻との暮らしを楽しむ。休日はトラクターに乗り畑を耕している。中学生になる孫に勉強を教えることもたまにあり、「驚いてくれたり、理解した時の笑顔を見た時とか、先生をやっていて良かったと思うよね」と目じりを下げた。

　○...教育委員会では現在、町内にある小中学校を８校から６校へ再配置するための具体的な検討を行っている。「将来、この決断を振り返った時、"良かった"と思ってもらえるよう、しっかりと取り組んでいく」と決意をにじませた。