格闘技で得た気づき、次代へ

　○…駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で12月22日から25日に開催される、「２０２２年度天皇杯全日本レスリング選手権大会」男子グレコローマン97kg級に初出場する。これに先駆け10月に埼玉で行われた「全国社会人オープン選手権」の同階級で３位に入賞し、全日本出場の権利を獲得した。「ずっと出たいと思っていた」と、顔中“笑顔”でうれしさを表現する。「楽しみたい」と控えめな目標を口にしたが、「相手をぶん投げたいですね」と闘志を燃やす。

　○…寒川町で生まれ育つ。柔道家だった曽祖父の影響で、６歳から柔道を始めた。思うように勝利を掴めなかった年代が続き、そんな時に出会ったのが、今も「恩師」と慕う高校柔道部の顧問だった。実技はもちろんのこと、努力する事の大切さ、周りへの感謝の心を学び、「先生のようになりたい」と教諭を志すように。「厳しくて辞めたいと思ったこともあったが、先生のおかげで今がある」。恩師の背中を追いかけ、今は横浜市内の中学校で教鞭を取る。

　○…昨年度に柔道部を新設し、顧問として12人の部員と共に汗を流す。「練習方法や試合時のマナーなど、教えることがたくさん」と苦笑するが、「成長が楽しみ」と目尻を下げる。12月24日まで新人選が開催されており、「県大会出場」を目指し奮闘中だ。

　○格闘技全般に造詣が深く、ロシア発祥の「サンボ」や関節技・絞め技のある「コンバットレスリング」などでは世界大会にも出場した。さまざまな格闘技に挑戦した結果、それらは生徒指導にも役立ったといい、「より広い視点で生徒を見られるようになった」と頷く。「自分が学んだ教え、格闘技を通して得た気づきなど、次代につなげていきたい」