”まちの変化”にやりがい

　○…４月末に開業した「ジ アウトレット湘南平塚」。約２千人の従業員を束ねるゼネラルマネージャー（ＧＭ）を務める。「アウトレットはもちろん、スポーツにアウトドア、他にない体験の提供のため、一丸となってお客様を迎えます」

　○…接客の仕事を志して入社したイオンのグループ会社。新入社員約６００人のうち、わずか４人が配属となったデベロッパー部門へ。兵庫でファッションビルの運営管理に携わった。３年目になるとビルのテナントを誘致するリーシングを任されるように。しかし、右も左も分からないアパレル業界との交渉に重圧がのしかかる。一時異動願いを出すほど悩んだが、上司の「石の上にも３年。まずはやってみろ」との言葉を信じ、がむしゃらに突き進んだ。

　○…兵庫から大分、秋田とテナント誘致に渡り歩く。ある時、それまで駅前になかった靴や衣料の大型販売店を誘致すると、地元の人から「とても便利になった」と感謝された。明らかに人の流れが変わったまちを見て、「自分の仕事はまちの文化を変えるんだ」と実感した。２００９年、同社初のアウトレット業態立ち上げメンバーに。「価値あるものをリーズナブルに」を合言葉に、手探りで埼玉のアウトレット１号店立ち上げに尽力。イオンモール（株）に転籍し、広島２号店を手がけたのち、１号店のＧＭに抜擢された。「リーシングの道を進む覚悟を決めた矢先だったので驚きました」と苦笑する。

　○…ＧＭを経験して、「やっぱり現場に近い仕事も楽しい」とはつらつとした笑顔を見せる。次の舞台は平塚。「働き手が楽しんでいれば、自ずとお客様にも伝わる。当施設も日常使いの中に、非日常のワクワクを感じてほしい」。新しいまちの形に思いをはせる。