｢希望持てる社会と未来に｣

　○...「２０５０年の社会のビジョンと実践」をテーマに11月18日、松下政経塾（茅ヶ崎市）で開催される「松下幸之助杯スピーチコンテスト」。全国２５０を超える応募から、決選大会に出場する９人の１人に選ばれた。演題は『自ら希望を見つけ適切な努力ができる人をつくる』。「どんな状況でも、自分の行動で社会は変えることができる。そのことを自分の経験から伝えたい」

　○...都内の中高一貫校で生徒会長をしていた高校２年生の時、コロナ禍に見舞われた。学校は休校となり行事も次々と中止に。それでも「こんな時こそ、自分たちにできることは何かを考えた」とホームレスの人にマスクを送る活動を発案。配信を組み合わせた「オンライン文化祭」を企画し、１万人が参加するイベントとなった。こうした活動が評価され、「日本生徒会大賞」で２０２０年と21年に最高賞を受賞。「日本一の生徒会長」として、バラエティ番組にも出演する。

　○...これまでの活動を通じて強く感じたのが「生徒会の可能性」という。「最も身近な民主主義を実現できる仕組み。もっと多くの若者に社会を変えたという『成功体験』を持ってほしい」。現在は生徒会大賞運営団体の理事も務めるほか、今年８月には「Ｕ―23サミット」の代表を務め、国内外から集まった若者１００人と交流した。

　○...多彩な経験をしてきただけに、卒業後の進路は大いに悩んでいるという。「国家公務員として政策作りに携わることも魅力的だし、メディアの仕事にも興味が出てきた。起業もしてみたい」。それでも「教育と政治の両方に携わりたい」という目標にブレはない。「主体的に社会のことを考え、実践に移せる人を増やす」。その先頭を自ら走るつもりだ。