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公開日:2026.04.25
桜の塩漬け 伝統の彩り 神奈川県西の特産品 作業佳境
春を感じる香りを届ける「桜の花の塩漬け」作りが4月中旬、県西地域で佳境を迎えた。和菓子や菓子パンの彩りや料理の一味として活用されるこの食材は、県西地域が全国シェアの7〜8割を占めるといわれている。
小田原市成田で漬物製造などを行う(有)シムラでも、4月10日前後から漬け込み作業に追われた。同社の志村充則代表(48)によると、原料となる八重桜「関山(かんざん)」は、花が開いて花弁が落ちるのを防ぐため、7分咲きの状態で軸ごと収穫し、その日のうちに漬け込む。農家から夕方に花が集まるため、この時期の10日間ほどは夜遅くまで作業が続くという。同社の桜花の塩漬けは梅干し作りで生じる梅酢を使うことで、軸まで鮮やかに色付き、香りが良いのが特徴だ。
同社では約30年前に先代が農家にサクラの苗木を配って製造を開始。現在は花と塩、梅酢を混ぜ合わせる専用の機械を導入しているが、「不純物を取り除く作業などは今も人の手が必要で、きつさは以前と変わらない」と笑う志村代表。
農家の高齢化や、気温上昇により花が散りやすくなるなど、昨今の課題もある中、「手のかかる脇役だが、和菓子などで使われているのを見ると誇りを感じる。日本人が好きな季節感を守りたい」。ていねいに漬け込まれたピンク色の桜は、1年かけて熟成され、次の春から出荷される。
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