湘南助産師会の会長を務める 森 明子さん 茅ヶ崎市在住 66歳
「女性の力」信じ寄り添う
○…湘南エリアを中心に活動する助産師65人で組織される「湘南助産師会」。秦野市の助産師も所属している。同会ではベビーマッサージやいのちの学習出張講座、専門職向けの研修や産後ケアの普及などに取り組む。10月29日には初の試みとして、テラスモール湘南(藤沢市)で足形アートや助産師への相談コーナー等のイベントを開催する。「若い助産師たちが中心となり企画した。会員が最大限、力を発揮できる会を目指したい」
○…愛知県出身。父の仕事の関係で転校が多かったものの、新潟で過ごした中学校3年間は転校がなく「楽しかった」と振り返る。当時の旧友とは今でも定期的に集まり昔話に花を咲かせる。ウィメンズヘルスに関心を持ち看護師になるために大学へ。母性看護学の実習で出産に立ち会い「母親や赤ちゃんのケアをする助産師の動きに圧倒された」と言う。助産師を目指し、卒業後は都内の産科病棟へ。深夜勤務中の6時間で6人の赤ちゃんが誕生したこともあった。「無事に家に帰っていくことが喜び」と笑顔を見せる。
○…一方で流産や死産、乳児死などとも向き合ってきた。「家族はペリネイタル・ロスと呼ばれる大きな悲しみに向き合うことになる。どのように寄り添えばいいのか、いまだに苦悩の連続。ただ、女性は乗り越えていける力があると信じている。信じる強い気持ちが大切なこと」
○…20代後半で大学院に通い、その後は教育機関へ。同じ頃、結婚を機に茅ヶ崎で居を構えた。現在も湘南鎌倉医療大学や聖路加国際大学で教壇に立つ。「出産や育児、助産学は科学と文化や人々の価値観が交差する微妙な領域。これからも謙虚に学び続け、助産に生かしていく重要性を伝えていきたい」
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