秦野 文化
公開日:2026.10.27
寄稿 秦野市指定文化財公開に寄せて NPO法人秦野歴史おこしの会理事長 小泉 孝
毎年恒例となりました秦野市指定文化財の特別公開(10月30日〜11月3日)が始まります。是非この機会に、市民の皆様に秦野の素晴らしい文化財に触れていただきたいと思います。
はだの歴史博物館を含めて数カ寺で公開されています。秦野市広報(10月15日号)に詳細が掲載されています。
その中で約1300年の歴史を誇る蓑毛大日堂は、神奈川県指定の文化財を含め、秦野市指定文化財の仏像が数多く安置されております。聖武天皇の勅願によって当時建立された寺院です。
本来、境内全体を守る二王像は現在修復のため、専門の工房に預かっていただいております。来春にはお帰りくださる予定と聞いております。
二王像の住まいに当たる仁王門は、昨年末修復することができました。いろいろな方面からの支援と、多くの人の寄付や浄財を寄せていただいて完成したものでした。ご協力いただいた多くの善意の方に感謝です。
二王像については平安時代後期の作造なので、どことなく優しい面立ちになっています。二王像は寺院の入口に立って悪の侵入を防ぐとともに、仏法を守る役目を果たされています。風雨にもめげずに山門に立ち尽くされております。神奈川県内においては最古の仏像であり、東日本全体でも2番目に古い仏像です。
大日堂には五智如来坐像、聖観音菩薩像が安置されております。両像ともに平安時代後期の作造と認定されています。
日本全国の中でも同規模の五智如来像は、数カ寺しかありません。当地以北においても、非常に貴重な存在となっております。真言密教にも深い関わりを持つ仏像でもあります。
すぐ上段のところに不動堂があります。かつて災害に見舞われた際、倒木に遭いお堂が破損と同時に、堂内の五大尊像が破却の憂き目にあったとのことです。
現在は形の崩れかけた不動明王がわずかに残るだけですが、以前は五智如来像とともに五大尊像として、不動堂を飾っていたものと思われます。いつの日か、破却の仏像の再興をぜひ願いたいものです。
鎌倉時代以前からある蓑毛大日堂は、県内においても貴重な存在です。いろいろな困難がありながら1300年近く守られてきた寺院です。
その間の多くの先人の対応の苦労は並大抵のものではなかったと思われます。江戸時代には一時荒れ寺になってしまった大日堂の再興に尽力された光西上人のお話も今に語り継がれております。
どうか、この貴重な財産を多くの人の力を借りて守ってゆきたいものです。現在、「NPO法人はだの大日堂保存会」の方たちによって、維持保存活動が続けられています。ぜひ、一人でも多くの人のご協力をお願いするところです。
上記以外にも貴重な文化財の公開がされておりますので、ぜひ足を運んでみてください。文化財公開に際しまして、私からの感想の一端を述べさせていただきました。
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