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港北区 意見広告

公開日:2012.06.28

県政報告 92
子どもを守る地域の力
県議会議員民主党・かながわクラブはかりや珠江

  • はかりや珠江

 あじさいの優しい色合いが、梅雨のうっとうしさをやわらげてくれるような気がします。



 残念なことですが、5月末に、区内で大変痛ましい事件が起こりました。母親が無理心中を図ったことにより、3才の男の子が亡くなったのです。



 児童虐待が社会問題として認識されるようになり、平成12年に「児童虐待防止法」が制定されましたが、相談件数は増加する一方で、対応が困難なケースも多くなっているといいます。どうしたら子どもを守れるのでしょうか。今回は、子育て支援がテーマです。



*「児童虐待」とは?



 虐待というと「なぐる・ける」といった身体的な虐待を思い浮かべがちですが、病気になっても病院に連れて行かない、食事を与えないなどの「ネグレクト」、子どもを無視する、拒否する、暴言を吐くなどの心理的虐待、性的な虐待など、子どもの心身の成長や人格形成に悪影響を与えるものすべてをいいます。



 子どもへの虐待は、身体的・知的発育に支障をきたすばかりでなく、情緒や対人関係などに問題を生じることもあります。さらに「虐待の連鎖」といって、虐待を受けた子どもが親になった時、自分の子どもに虐待を加える恐れもあります。



 子どもの将来に暗い影を落とし、命さえ落としかねない児童虐待。早期に発見して、適切なサポートを受けられるようにすることが肝心です。



*子育て環境の変化



 虐待が起こる背景には、子育て環境の変化も影響しています。地域や親族などとの関わりが薄いため、子育て家庭が孤立状態になり、育児不安に陥りやすくなっていると考えられます。



 身近に相談できる人がいれば、悩みを聞いてもらい気分を変えることもできますが、一人で抱え込んでしまうと、育児不安が膨らんで情緒不安定になり、衝動的に子どもをたたいたり、育児放棄をしたりという虐待行動へ移行していく恐れがあります。経済的なことや、家族の不和、夫が育児に協力しないなど、子育て以外の難しい問題が加わると、さらに事態は深刻さを増します。児童虐待は、どんな家族にも起こる可能性があると言えるでしょう。



 はじめから虐待をしようと言う保護者はいないはず。子育て家庭を温かく見守る地域のなにげないサポートや声かけが、虐待予防に繋がるのではないでしょうか。



*虐待を知らせる「通告」



 児童虐待防止法では、虐待を発見したり、疑われる場合は、通告を義務づけています。通告したケースで実際には虐待がないことが確認された場合でも罰せられることはありません。



 県では児童相談所と市の児童福祉担当課が中心となって、虐待を受けた子どもの早期発見・保護・支援を、保育所や学校、病院・警察などと連携しながら実施しています。(横浜市も同様に児童相談所と各区の児童福祉担当課が対応)早期に発見・対応することが子どもの安全を守る上で非常に重要だからです。



 児童相談所や市・区では通告を受けると速やかに受理会議を開いて、調査方法を検討し、子どもの虐待状況を確認、親とも面談して支援の方針を検討します。稀にではありますが、子どもを家庭に戻すのは危険と判断した場合は、緊急に一時保護をすることもあります。虐待を繰り返す保護者は虐待を生じやすい要因をかかえています。それを改善するためには、多くの時間と専門的なサポートが必要であり、子どもが安心して過ごせる家庭となるまでチームを組んでサポートを継続します。DVやアルコール依存症を背景に持つ保護者や子どもに障がいがある場合は、さらにきめ細かい対応が求められます。



*今後の課題



 児童相談所や市・区の児童福祉担当課は、児童虐待問題の要です。しかし専門の職員数に比して、相談件数が膨大すぎるため、各ケースにきめ細かく対応したくても無理が生じる恐れがあります。オーバーワークで職員が心身の健康を損ねるのも問題ですし、スキルアップにさく時間が減ることは支援の質にも関わります。これまでも職員数の増強など体制強化を訴え続け、かなり改善してきましたが、さらなる充実強化を求めていきたいと思います。



 児童養護施設への入所が困難な15歳から20歳の子どもをサポートする「自立援助ホーム」への支援も力を入れなければならない課題の一つです。たくさんのリスクを背負い、厳しい環境で育つ子どもたちが就労し、社会で生き抜いていくためのホームです。



*育みあい共に生きる社会



 「子育て」は、授かったかけがえのない命を、品性ある自立した社会人として育て上げる一大事業の出発点。「育児」は、親自身の「育自」でもあるように思います。「大変だけど楽しい」と思えるような、支え合い、育み合える子育て環境を作りたいものです。



 横浜市北部児童相談所



【電話】045・948・2441

 

神奈川県議会議員 はかりや珠江

TEL045-546-1491

TEL:045-210-7620

http://www.hakariya.org/tamae

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