県政報告Vol.27 県政の課題を問う 神奈川県議会議員 河本 文雄
定例会で広域自治体としての県の役割を問いました。
小田急多摩線の延伸
昨年4月に出された国の交通政策審議会の答申で、小田急多摩線の延伸の行先が「上溝まで」と明示されました。一方、県の「かながわ交通計画」では「唐木田から横浜線・相模線方面」と記載されているため、同計画でも「上溝まで」に加え、「愛川・厚木方面」への位置付けを県に求めました。県は「かながわ交通計画」について関連する計画と整合を図りながら国の審議会の答申を踏まえた上溝までの延伸を同計画に位置付け、愛川・厚木への延伸もしっかり検討していく考えです。延伸による採算性確保の支援としては国に助成制度の拡充を求めていく構えです。
境川の河川整備
近年、豪雨で全国的に河川の氾濫などの水害が発生しており、境川でも相模原市と緊密に連携した対策が求められます。県に広域自治体としての役割を質したところ、県は東京都、相模原市等と共同で「境川流域水害対策計画」を策定しており、ハード対策として、県や都は護岸や遊水池整備、相模原市は主に雨水管理を行うほか、ソフト対策としては県と都で洪水浸水想定区域図を、相模原市はハザードマップを作成する考えで、役割分担しながら早期の取組を求めました。
生産緑地の保全について
30年間の営農を条件に指定される生産緑地は新鮮野菜等の供給のほか、防災空間を提供してきました。しかし農家の高齢化も進み、生産緑地の多くが指定後30年を迎える平成34年には大幅に減少する懸念もあるため、今年法改正された、市町村が土地所有者の同意を得て買取の申し出を10年間延長する特定生産緑地制度の積極的な活用や、市町村条例で面積要件を引き下げることで小規模農地を含め多くの農地を指定し保全する市町村に対し、広域自治体としての県の役割を問いました。県は今後、市町村職員対象の新制度の研修会や地域の農業経営に関する情報提供の場を設け、新制度活用による農地保全を図る方針です。
県産木材の消費の促進
県は県産木材を有効活用することで持続的な森林管理を目指す取組を進めていますが、他県産よりも高価で消費者に利点がありません。消費がなければ、森林整備を担う人材育成などの成果が発揮できず、公益的機能の高い森林整備に影響します。そこで県に消費促進への取組を問いました。
県は広報活動を積極的に進め、県産木材を扱う認証工務店数を伸ばす考えです。
高年齢者の就業支援
社会活力の維持には、意欲と能力、体力がある高年齢者に見合う就労を推進し、活躍の場を設けることが重要です。そのためには企業側の就業環境整備や意識啓発も必要です。さらに、人材不足が懸念される介護や子育て分野への就業促進の必要性も併せて問いました。県は「人生100歳時代」を掲げ、中高年齢者対象のキャリアカウンセリングや就労意識啓発セミナー、就業に限らず、奉仕活動等の多様な働き方に応じた情報提供により就労を促していく構えです。
農福連携による障がい者の就農促進
県は平成28年から農福連携による障がい者の就農促進の取組を行っていますが、障害福祉サービス事業所が農業活動を取り入れ、通所する障がい者に農業経験をしてもらいながら農業分野への就労を促す流れを見据えるべきです。県は事業所を対象に昨年度から農業参入の手続きや支援制度を説明する「農福連携セミナー」を開催しており、今年度も様々な手法で障がい者の就農を積極的に進めていく考えを示しました。
中小企業におけるIoT技術導入に向けた人材育成
生産性向上の観点からIoT導入の必要性が求められていますが、中小企業では進んでいないように考えます。そこで県に中小企業でのIoT技術導入に向けた人材育成への取組を問いました。県は産官連携で技術者の人材育成を図る取組を今年度から開始。実践的な研修から技術者の知識の習得を図ることで、県内中小企業のイノベーション創出を支援する方針です。
神奈川県議会議員 河本文雄
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