綾南小学校(田中恵吾校長)の体育館で今月4日、全校児童520人の前で仙台フィルハーモニー管弦楽団による生演奏が行われた。
同楽団による演奏は、文化庁が行っている「次代を担う子どもの文化芸術体験事業」によるもの。長野県や静岡県、愛知県などの小・中学校でも行われており、綾南小学校が18校目の開催となる。
日頃、本物のクラシックに触れる機会がない児童たちに生音のオーケストラの迫力を感じてもらおうと、同校が国に申請し実現した。「今なお震災復興に向けて一生懸命取り組んでいる地からやってきて、団員の中には被災した方もいると聞いた。その中で頑張っている方々から、児童が何かを感じ取ってくれれば」と長田美知子教頭は話している。
当日、総勢約70人の団員が奏でる迫力の生演奏に聴き入る子どもたち。初めての体験に、「感動した」「嬉しかった」などの声が聞こえた。
また、オーケストラをより身近に感じてもらうため、指揮者体験や児童代表によるドレミパイプと楽団の競演、生演奏に合わせての合唱なども行われた。長田教頭は「子どもたちにはとても貴重な体験の場になった。今後もこういった事業を活用し、芸術に触れられる機会を作りたい」と話している。