共通の趣味が、仲間作りの近道
落合地区社会福祉協議会の活動拠点である落合ふれあいの家に飾られた、スカイツリーや兜。これらは全て折り紙や広告などを使い作られている。その製作者の一人が同地区社協副会長で、折り紙教室の講師を務める小宮昌典さんだ。
小宮さんが折り紙を始めたのは、13年前。早期退職で定年1年前に仕事を辞めたが、気が抜けたのか子どもの電話番号を覚えられなくなるなど、「物覚えが悪くなった」と感じたのがきっかけで指や頭を使うことを始めようと思ったという。
もともと物づくりが好きだった小宮さんは、同様の折り紙作品を見て興味を持ち再現できないかと模索していた。たまたま夫人が本を見つけ購入し、以来ずっと趣味として続けている。
その作品は、折り紙で三角ブロックを大量に作り組み合わせることで、様々な形に形成していくというもの。作業の3分の2はブロックを折る地道な作業で、物によっては6千個や1万個も必要になる。こだわればこだわるほど、完成に時間がかかるそうだ。
小宮さんのやり方はまず1度、本の通りに作り基本を覚える。その後、組み方を自分で考えアレンジし、いかにキレイに作ることができるかにこだわる。仕上げに糊を塗ることで接着し、強度を上げて型崩れを防ぐという工夫も凝らしている。
講師を務める折り紙教室は、地区社協事業として一昨年から年1回実施してる「ふれあい作品展」がきっかけで始まった。1回目の好評を得て続けた昨年の作品展で、折り紙作品を見た地域の人たちから「教えて欲しい」という要望が多く寄せられたためだ。
講師は小宮さんのほか、同じく折り紙を趣味にしている同地区社協理事の小笠原等(ひとし)さんも務めている。小笠原さんは折り紙を使って作る花を指導しており、2人で月に5〜6回ほど開催している。
教室に通う人はもともと手先が器用な人から、作ることは好きだが細かい作業が苦手な人まで様々。趣味を同じにしている者同士すぐに打ち解けられるため、仲間との交流の時間も参加者たちの楽しみの一つのようだ。「最近では、次の教室はいつですかと聞かれる」と小宮山さんは話す。今年のふれあい作品展では、教室の生徒も作品を展示している。
折り紙を始めて以来、自身も共通の趣味を持つ仲間が増えたという小宮さん。「教室や作品展を通してコミュニティーができ、お互いの顔が見える地域づくりの一助になれば」と、取り組みの広がりに期待を寄せた。