綾瀬市では「活性化応援寄附金(ふるさと納税)」の返礼品事業を、7月1日から開始した。返礼品には市内の名産品や農産物、工業製品など11事業者21種が用意され、開始1週間で早くも申し込みが寄せられている。
ふるさと納税は出身地や育った故郷、応援したい自治体など在住地域以外に寄付することで、税の控除が受けられる制度。寄付を受けた自治体は、「お礼の品」として地元事業者が取り扱う品を送ることができる。
市では自治体間の競争激化や控除額の上限拡充、民間調査機関による綾瀬市の知名度低迷などの理由から、返礼品の導入を今年3月に決定した。加熱する競争には参入せず、あくまでシティセールスの一環の事業として位置付けている。
寄付額は1万・2万・3万・4万・5万・7万・20万円。返礼品には高座豚手造りハムや、大久保商店の豚みそ漬け、パレ・ド・モンパルのあやせサブレなど名産品から、野菜・果樹セット、グルメ鉄板、クラフトチーズバラエティセットなど「綾瀬の事業者ならでは」の品も揃う。
開始から1週間で寄せられた寄付は42件、77万円。東京・埼玉・千葉・群馬など関東近郊だけでなく、兵庫・和歌山・岐阜・広島など遠方からもあり、「親族が住んでいる」「返礼品が魅力的」など理由も様々だ。
”意外な結果”とPR効果に期待
現在、返礼品の目玉である高座豚手造りハムの「豚1頭分まるごとプレミアムセット」(寄付額20万円)をはじめ、あやせサブレや豚みそ漬けなど名産品に申し込みが寄せられているが、「これ以外にも面白い結果が出ている」と市政策経営課は話す。
同課によると、みのりファームの野菜やエムケーチーズのチーズ、横浜乳業のヨーグルトなど「日常品」の件数が多い傾向が見られるという。また、ナウ産業の工業品「綾瀬匠・極厚グルメ鉄板」にも2件の寄付があり、同社の今寿義社長は「まさかいきなり注文が入るとは」と驚きを見せる。
ふるさと納税による今年度の市税流出見込み額は約1700万円。担当者は、「税収のマイナスを取り返しつつ、綾瀬の名産や製品を全国にPRできる。この効果は大きい」と、手応えを感じているようだ。
返礼品は随時拡充を図っており、今後はゴルフプレー券・パソコン組立教室など体験型のものや、自衛隊関連グッズ、アルコール類などの導入を予定している。集まった寄付金は「綾瀬市まち・ひと・しごと創生総合戦略」推進のための財源として、「出産・子育て環境の向上」や「市内企業の競争力強化」などの事業に活用される。
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