綾瀬版 掲載号:2017年12月1日号
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父想い「私設図書館」設立 歴史書など2万8千冊展示

文化

私設図書館を運営する上澤夫妻
私設図書館を運営する上澤夫妻

 上澤雄平さん・眞利さん夫妻(海老名市在住)が、私設図書館「佐伯有清記念歴史図書館 清心館」を綾瀬市内に開館し、運営している。館内に置かれている蔵書は、眞利さんの父で古代史研究者・佐伯有清(ありきよ)氏(1925―2005年)が所有していたもの。上澤夫妻は「歴史に興味のある方や若い方にもぜひ利用していただきたい」と話している。

 今年5月に開館した「清心館」。亡くなった父の遺産として眞利さん=人物風土記で紹介=が蔵書を受け継いだ際、「せっかくなので多くの人に本を読んでもらいたい」との思いを抱き、開館する運びとなった。

 当初は実家で開くことも考えたが、次第に蔵書数に耐えられる床の丈夫な家を探し求めるようになり、3年かけて現在の住宅にたどり着いた。購入後は和室の床をフローリングに張り替えるなど使いやすいようにリフォームし、可動式本棚などを各部屋に設置した。

 物件探しと並行して行ったのが、ブックリスト作成。書架に収まらず床にも積まれている本を把握するため、倉庫を借りて10年がかりで整理したという。リストを作りつつ、本をアルコール消毒してカビなどの汚れを落としたり、和紙での修復作業なども行った。「司書の資格は持っていなかったので、分類の仕方など一から調べました」と振り返る。

 蔵書は歴史専門書が中心だが、文学・美術など一般の人が読みやすい本もある。詳細はhttps://sites.google.com/site/seishinkan302/で閲覧可。

 「ご利用希望の方はお電話ください」と上澤夫妻。問合せは同館事務局【電話】046・233・3678へ。

著名な歴史研究者の蔵書

 眞利さんの父で、本の元所有者である佐伯有清氏は、法政二高校長ののち北海道大・成城大で教授を務めた古代史研究者。数多くある著作や論文の中でも特に著名なのが、平安時代に編まれた有力氏族の系譜を調査した全10巻の「新撰姓氏録(しんせんしょうじろく)の研究」だ。1962年に1巻目を出版後、その研究は2001年まで及んだ。古代史研究に欠かせない史料として、1984年には野口英世や金田一京助、ノーベル賞受賞者らに授与されている「日本学士院賞」を受賞した。
 

本を所有していた佐伯氏
本を所有していた佐伯氏

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