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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2012.02.03

横浜DeNAベイスターズのファーム新監督として采配を振るう
山下 大輔さん
都内在住 59歳

尽きない古巣への愛情



 ○…8年ぶりに古巣にカムバック。生え抜きOBが新生ベイのユニフォームにまた袖を通すことになった。今度は若手育成という立場でチームの復権をめざしていく。2003年から2年間務めた1軍監督は、連続最下位の結果に退任を余儀なくされた。若手の戦力化に道筋をつけた自負があり、「これから」の気持ちは強かったが、プロの世界は結果がすべて。その後も野球の世界に身を置きながら「現場でもう一回」の思いを抱き続けた。他球団のフロント、メジャーのルーキーリーグで守備コーチを務めながらチャンスを待っていた。



 ○…3月に還暦を迎える。自分の子ども以上に年の離れた選手とどう向き合っていくのかをたずねると、「もう一度親父ができる。そんな心境」と胸の内を語った。「選手と監督は上下でなく、ファミリーであるべき」が持論。育てる、鍛える、はテクニックの伝授よりも、コミュニケーションに時間割くのが山下流だという。



 ○…2月から始まるキャンプの準備に大忙しの新人選手の姿を捉えて、自分の同じ頃を思い出した。実家近くの草薙球場(静岡県)の初キャンプでの出来事。初日から風邪をこじらせチームを離れて自宅で静養していると、新聞記者が見舞いに現れた。「選手は身体が資本。しっかり養生して頑張って」とあたたかい言葉を掛けてくれた。ところが翌朝の紙面を開くと「虚弱児 山下」の大見出し。「これがプロの世界か、という妙な納得があった。反論は結果で示すしかない」。プロ意識を駆り立てる原点となったエピソードを披露してくれた。



 ○…「現役時代の華麗なグラブさばきが印象的。輝きを放っていました」との投げ掛けには、頭を指差して「今も変わらず輝いているよ」と自虐的なジョークを飛ばす。物腰柔らかでサービス精神も旺盛。新会社は地域密着を活動の大きな柱に据えている。自身も思いは一緒だ。「地元のファンは期待していて欲しい」

 

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