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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2012.05.12

小田原市消防団の団長に就任した
遠藤 和幸さん
市内久野在住 60歳

使命感を肩にアクセル全開



 ○…ひとたび火災や風水害が発生すると駆けつける、危険と隣り合わせの現場。住民の生命と財産を守るという、使命感一筋で28年間消防団員を務めてきた。その実績とリーダーシップにより、このほど市内22の分団、732人をまとめる団長に就任。「深酒はできないな」と笑う瞳の奥に、固く引き締められた信念を感じる。



 ○…普段は地域で唯一のバイク屋さん。10代のころからモトクロスなど数々のバイクレースに出場し優勝経験を持つ、根っからのバイク好きだ。ジェットスキーにも親しみ、「独特のスピード感と解放感が、陸にはない魅力」と声を弾ませる。趣味が高じて自らの店を構えてからは、車関係の前職の経験を生かして自転車のパンクから自動車、農機、発電機の修理まで行う。時には長靴まで直すことも。「さすがにお金はもらえませんが、地域あっての商売。あそこに行けば大丈夫と安心してもらえる店でありたい」と真摯に前を向く。



 ○…競争が大好きで、「やんちゃな次男坊」と照れ笑いを浮かべる。故郷のまちを離れて夢中で仕事をしていた最中、長男だった兄が若くして亡くなり、急きょ家に戻った。そんな想像していなかった人生の岐路で、地域との絆を深めてくれたのが消防団だったという。台風が近づくと夜を徹して見回りをし、目の前の久野川が氾濫した際は命がけで土のうを積んだ。築いてきた信頼は厚く、期待される側に転じてからも仲間や地域への感謝を胸に抱き続けている。



 ○…東日本大震災では254人の消防団員が亡くなった。未曾有の災害時でも、団員を含めた地域全体の安全をいかに守るかが課題だと話す。新聞やメディアで他の自治体の取り組みを集め、紙いっぱいにメモを綴る。「できれば無線機を全員に、最低でも各団に5個は導入したい」と提案。女性の消防団発足にも意欲を示す。孫に恵まれた今も、アクセルは全開だ。

 

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