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緑区 社会

公開日:2026.09.10

防災の日に考える “共助”の地域実装へ 中山で意見交換

 防災意識向上を目的に、関東大震災が発生した9月1日は「防災の日」に制定されている。地域一体でどのように防災意識を高め、災害に備えていくべきか。9月1日、地域防災力向上に向けた活動に取り組む3人の女性を呼んで、中山の地域防災拠点「Co―coya」で座談会を開いた(本紙企画・中面の「防災特集」に続く)。

コミュニティの重要性

 Co―coyaは仕事場やイベント会場などさまざまな機能を備えた場所で、地域に開かれたコミュニティスペースを目指して建築士の関口春江さん(51)が設計した。井戸や薪ストーブがあり、ライフラインが止まっても水と温かさを提供できる環境が整っている。

 拠点に来る人は自然と薪ストーブの使い方を学び、毎年恒例の「醤油作り」では、それが炊き出しの訓練にもなっている。「暮らしの中で防災の知恵を共有している。ここまでくるのに12年ほどかかった。ここ3〜4年でやっと地域一体で丸くつながることができてきた。災害が発生したとき、コミュニティがあるところほど復興が早いと聞く。何かがあったときに、立ち上がる源になるのでは」と日頃から顔の見える関係性を作っておくことの大切さを語る。

町内会では

 「これを大規模でやっているのが町内会」と、町内会の理事としての活動を通して強く実感したという関口さん。中山自治会の会長を務める古内敏子さん(79)は中山小学校地域防災拠点運営委員会の会長も兼任し、組織で独自にさまざまな防災対策を講じている。昨年度、女性視点を取り入れた取組が認められ、同運営委員会は「横浜市男女共同参画貢献表彰」を受賞した。

 防災拠点の運用について、高齢者や妊産婦、ペットなど多様な避難者を想定し、いざという時に対応できるよう事細かくシミュレーションを行っている古内さん。「その時は来ないかもしれないが、やらないよりやっておいた方が良い」。一緒に防災対策を考えることのできる仲間も増えているが、一方で中山自治会に加入しているだけでも約3600の世帯があり、地域全体で意識を高めるのは一段と難しさが増すという。「3・11の後、これで意識が変わるかと思ったが、それでも防災訓練に来る人はあまり増えなかった」

認識のギャップを埋める

 「私も運営委員会に入る前は、誰でも地域防災拠点に避難すればいいと思っていた」と当時の気付きを振り返る古内さん。地震が発生したとき、自宅に倒壊や焼損、土砂崩れなどの危険性がない場合、基本は「在宅避難」となる。長津田を拠点に防災士として活動する小林ゆきさん(43)は「行政が市民全員に向けて準備してくれていると思っている人が多く、行政と市民の間で認識のギャップがあると感じる。ここを埋めていくことが防災士の仕事」と語る。

 現在、親子に向けた防災啓発活動を行う市民団体に所属する小林さん。今年5月に開催されたコンテスト「Beauty Japan BAY 2026」では「身近な防災」をテーマにスピーチを披露して、Sociality部門でグランプリを受賞した。啓発活動をする中で小林さんは「災害は"怖い"ものというベースがあり、目をそむけられがち。また、"自分は大丈夫"という正常性バイアスも働く」と意識を高めてもらうことの難しさを明かす。考えるきっかけを与えるために近ごろ工夫しているのが"楽しさ"を演出すること。「不謹慎かなと葛藤した時期もあったが、楽しい防災教育によって実際に子どもが津波被害を免れた事例もあり、今は自信を持って面白いことをやっているなという雰囲気を作っている」と話す。今後は長津田で、コミュニティを巻き込んだ防災力向上の活動を広げていくという。

生活に根差した感覚で

 東日本大震災など、これまでの災害では、避難所運営の意思決定に女性が十分に参画できていなかった過去がある。今回集まった女性3人に共通しているのは、防災を自分事として捉え、身近な人たちと支え合って乗り越えようとする"共助"の姿勢。生活に根差した感覚で地域防災を考え直していくことが大切だ。

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