タウンニュース瀬谷区編集室では２０２４年の始まりに合わせて、瀬谷区の植木八千代区長に新春インタビューを行った。植木区長は旧上瀬谷通信施設で３年後に開かれる万博「ＧＲＥＥＮ×ＥＸＰＯ ２０２７」の機運醸成や、区民の健康維持・増進に関する取り組みなどについて語った。（聞き手／本紙・澤口厚）

防災などの充実に意欲

　--まずは昨年の振り返りをお願いします。

　「昨年は多くの地域で夏祭り、敬老会、レクリエーション大会などが再開されました。地域の行事はどこも賑わい、久しぶりの地元の『お祭り』を色々な世代の方が一緒に楽しまれている笑顔が印象的でした。瀬谷区の地域のつながりの温かさ、強さを改めて実感しました」

　--24年の重点事業や取り組みは。

　「昨年６月に４年ぶりに実施した区民意識調査の速報では、区の取り組むべき課題として防災、福祉という項目が今回も上位となっています。防災面では『万が一』の事態が起こった場合、『どう行動するのか』を区民の皆さんに予め考え、日頃から備えていただくための啓発や、地域、関係機関との情報共有や連携の充実をはかり、区民の皆さんの安全と安心を守る災害に強いまちづくりを進めていきます。

　福祉の取組では『第４期瀬谷区地域福祉保健計画』の計画期間の後半となります。『みんなでつくる みんなのしあわせ』の実現と、２０２６年度からの次期計画の策定に向け、瀬谷区で生活しているすべての方にとって、暮らしやすいまちとなるよう、引き続き取り組んでまいります。

　子育て世代の皆さんを支える、地域の子育て支援のネットワークの連携を深め、子育てに役立つ情報発信や育児不安を抱える方への個別対応をしっかりと行います。また、子ども自身の思いを聞き取る機会を増やし、妊娠期から切れ目なく、より丁寧に子育て支援に取り組みます」

花や緑に触れ合う機会を

　--ＧＲＥＥＮ×ＥＸＰＯまで３年。関連事業を教えてください。

　「ＧＲＥＥＮ×ＥＸＰＯ ２０２７は脱炭素や多様な生態系の維持などの課題に対して、解決策を示す『グリーン万博』を目指しています。瀬谷の豊かな自然を守り、次世代に伝えていくために、小学生の皆さんが環境問題について考える『はじめの一歩』となるイベントも予定しています。

　開催までの節目ごとに、様々なイベントを引き続き行い、花や緑に触れ合う機会を増やし、楽しみながら機運を盛り上げていきます。

　瀬谷オープンガーデンも開催します。瀬谷のまちにいっぱいの花が咲き、幅広い世代の方がワクワクと開催を待ち望み、地域が盛り上がるよう取り組みます」

区の魅力、発信

　--昨年に相鉄・東急直通線が開業しました。瀬谷区の魅力創出や発信に関する取り組みは。

　「都心部や新横浜駅を経由した関西方面へのアクセスが向上しました。

電車内広告により、区外の人に、まず『瀬谷』に興味を持ってもらう取り組みを進めます。そして、瀬谷の魅力のひとつである『農』と地域の皆さんと連携して、『地産地消』につながるイベントや、実際に瀬谷にいらして味わっていただく、そういった取り組みにつなげていければと考えています。

　直通線開業やＧＲＥＥＮ×ＥＸＰＯを機に、瀬谷区の魅力をより多くの方に知ってもらい、将来の発展につなげていきたいと考えています」

健康維持・増進へ

　--区民の健康維持・増進につながる事業を教えてください。

　「コロナ禍を経て、『健康』について意識する方が増えています。地域のイベントなどに参加し、人とのつながりを持つことは、健康維持、フレイル予防にも効果的と言われていますので、是非、ご参加ください。日頃の生活に『プラス10分』体を動かす習慣を取り入れる意識を皆さんに持っていただくよう、区役所も取り組みます。

　３月には瀬谷区を地元とされているビーチサッカーチーム『レーヴェ横浜』さんと協働して、健康づくりイベントを実施します。また、土木事務所が新たに作成した『公園健康遊具マップ』もぜひ活用してください。

　瀬谷区は、市内で喫煙率が高い区です。受動喫煙を防止するための動画も作成しましたので、皆さんにご覧いただき、健康的な生活のきっかけになればと思います」

　--最後に区民へのメッセージをお願いいたします。

　「今年も区役所は職員一丸となって、『幸せが実感できる瀬谷づくり』に取り組みます。区民の皆さんにとって素晴らしい年となりますよう心からお祈り申し上げます」