全日本空手道選手権大会で優勝した 早野 勇輝さん 三ツ境在住 23歳
信じれば夢は叶う
○…JIKA国際空手協会主催「第7回全日本クラス別空手道選手権大会」の軽量級に初出場、見事チャンピオンに輝いた。「両親や後援会、地域の方に恩返ししたくて挑んだ試合。正直ホッとしています」と安堵の気持ちが大きい様子。
○…8歳の頃、テレビでK―1と極真空手のチャンピオン同士が戦う試合を見て、空手がしたいと思った。両親も同じ想いで即、極真会館の門を叩く。入門間もなく才能を発揮。県大会や全国大会では常に好成績を収めた。高校入学後は指導員も務め順風満帆そのもの。それが一転したのは17歳の時だった。腰を疲労骨折しスポーツ選手として窮地に立たされた。「暗闇に放り出されたようで苦しかった」と顔をしかめ当時を思い出す。そんな時に力をくれたのは、重度の障害にも負けず治療を続ける妹の姿だった。「妹が居なければ今はなかった。諦めず継続することの大切さを教わった」。辛いリハビリも妹のお陰で続けられたと話す。
○…リハビリ開始から約1年後「これに賭けろ」と父親に背中を押され、K―1のトライアウトを受け、19歳でプロデビューを果たす。デビュー戦でKO負けし現役を退いたが「力を付け、また挑戦したい」とその時の悔しさをバネに鍛錬に励み続けた。20歳で独立し空手師範として勇輝道場を構えたが「心残りがあった」。それを消すため、3年振りに現役復帰、今大会への挑戦を決めた。「8歳から日本一を目指してきた。骨折や挫折しても諦めないで良かった」続けて「信じれば夢は叶うと子どもたちに教えたかった」と武道家らしい凛としたさまで語る。
○…瀬谷で生まれ育ち、現在は三ツ境で独り暮らし中。医療関係の会社に勤めながら、道場での指導、稽古と多忙な毎日を過ごす。母方の祖父、曽祖父が沖縄で空手師範だったこともあり「休みが取れたら祖父らが過ごした沖縄でのんびり過ごしたいですね」と一瞬、若者らしい笑顔を見せた。
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