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多摩区・麻生区 人物風土記

公開日:2015.09.25

「かわさき市民後見をすすめる会」の代表を務める
倉田 宏さん
生田在住 76歳

困っている人をほっとけない

 ○…「これからは市民後見制度が重要になってくる。仕組みや現状を多くの人に知ってほしい」とその必要性を熱く語る。認知症や老化が原因で判断能力が低下した高齢者に代わり、生活や財産管理を法律面から保護・支援するのが成年後見制度。制度をもっと身近に感じようと、東京大学の市民後見人養成講座で学んだ市内在住の有志が集まり「かわさき市民後見をすすめる会」を2012年に結成。10月3日には、多摩市民館で学習会を開催する。「わかりやすく、気軽に参加できるものにしたい」

 ○…現在の活動を始めたきっかけは、約20年前。介護していた母が認知症を患った。読書好きで博識な母が別人になっていく姿を見て衝撃を受けた。認知症について学ぼうと、区内で活動する認知症ネットワークに入ると、認知症患者やその家族が抱える金銭的・法律的問題を目の当たりにした。「自分の権利や社会制度を知らないと不利になることがある。後見人をビジネスではなく地域の共助として近場でフォローしたい」

 ○…長崎での被爆体験が自身の人生観に強く影響している。原爆で父と祖父を亡くし、本家のある京都へ引き取られた。「普通なら死んでいた。助けてもらったという気持ちが強い」。育ての父が商家を営んでいたため、亡くなった際の相続手続きが大変だったことも現在の活動理由の一つ。「働き盛りだったためすべて業者任せになった」と悔やむ。「困っている人をほっとけない。何事もできるだけ前向きに取り組みたい」

 ○…会社員時代には技術系や財務、総務や人事など様々な職種を経験。「自身がわからないことは何でも調べてみよう」と、労務問題なども独学で勉強してきた。同会の活動を始めてから、ファイナンシャルプランナーや行政書士の資格も取得。今後はNPO法人設立を目指す。「自分の力が及ばないことはいくらでもある。努力しなきゃ。進歩しなきゃ」

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