コメ価格の高騰が止まらない。コメの調達に奔走する米穀店や、米を探して複数のスーパーを「はしご」する消費者もいる。市内の影響を取材した。
5月16日の朝、小島米店(多摩区)の店頭には5kg入りの白米5種類がびっしり並んでいた。数日前まで数袋だったが、卸売業者から2日前に入荷し、前日夕方に並べたばかりという。
同店では創業時からこだわりの玄米をその場で精米して販売してきたが、コメ価格高騰の影響で玄米が手に入りにくいため、卸売業者から白米を仕入れ始めた。平時なら複数の銘柄を取り揃えているという玄米の容器は、カラのものもある。
代表取締役の小島晃さん(71)は、「こんなことは初めてだが、お客さんも困り果てている。『スーパーを何軒回ってもコメがない』と、初めてうちに来る人もいる」。実際、取材中も続々と来客があった。
女性の常連客は白米が並ぶ棚を見るなり「いっぱいある!」と声を上げ、5kgを一袋買い求めた。さらに「来週分を1袋、キープで」。2人の娘が食欲旺盛のため、月に2回は同店でコメを購入するといい、「見通しが立つことはありがたい」と話していた。
各地の生産者からもコメを仕入れている小島さんは「そもそも国の生産調整の失敗だ」と憤る。「生産量が増えなくては解決しない。問題はコメが切れる夏。去年はパニックだった」
増える善意の支援
市立小中学校の給食については、コメを含む物価高騰の傾向を見越して2025年度から価格改定したため、市の担当者は「今のところ問題ない」と説明する。
市内の子ども食堂等約75カ所が参加するNPO法人「かわさきこども食堂ネットワーク」の佐藤由加里理事長は、「物価高騰の報道があると善意の支援も増える傾向がある。参加団体から『寄付があり助かった』という声も聞かれ、ありがたい」。同ネットワークでは昨年度に寄付されたコメ計1・4tを、公平に配布してきた。「今後もネットワークに届く寄付は、寄付者の意向を確認しながら公平に配布していく」と話している。
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