「かわさき多摩川博シンポジウム」を主催する「NPO法人多摩川エコミュージアム」の理事 田中 喜美子さん 王禅寺西在住 83歳
多摩川の自然に魅せられ
○…28日に開催される「かわさき多摩川博シンポジウム」で司会を務める。「川崎の母なる川として皆さんに親しんでもらいたい」と快活に話す。「NPO法人多摩川エコミュージアム」での目標は、行政と協働し、市民が生活する地域と環境を「生きた総合博物館」にすること。「川崎のイメージアップのため、多摩川には魚や鳥が生き、自然があることを知ってもらいたい」
○…初めて多摩川の源流の一滴を飲んだ時「全身に多摩川が流れたと感じるほどの感覚だった。この一滴を追い、皆で歩いていこうと決めた」。市民団体「多摩川と語る会」の代表として、河口から源流までの全長約138Kmを4年半かけて歩き、流域の歴史にふれながら野草や野鳥の観察をしてきた。「語る会」の発端は「何か川崎の誇りとなるものがほしい」と思い立ち、開館当初の新百合21ビルで募集をしていた市民企画講座に応募したこと。その後、集まった多くの仲間とともに市民団体に発展させた。
○…東京・武蔵野で生まれ育つ。幼少期は草や花と親しみ、自宅近くを流れる多摩川の土手で友だちと転がって遊んでいた。「あの頃から自然への愛着があった」。大学卒業後、最高裁判所事務総局の秘書として働いた。2年後、結婚を機に退職するが、すぐに職場復帰。裁判所書記官研修所で30年間勤め上げた。「通勤電車に揺られ多摩川を眺め、美しさに魅せられていた。それがきっかけで地元をもっと知ろうと思った」
○…多摩川の「魅力を伝える拠点」である多摩区の二ヶ領せせらぎ館の初代館長も務めた。区内の市民交流館やまゆりが開館した頃には同館で「麻生多摩川学会」を立ち上げ、麻生区民にも多摩川の魅力を伝えた。現在、エコミュージアムの事務所があるせせらぎ館を「街づくりの拠点」へと変貌を遂げさせようとしている。「地域の多くの方に、多摩川を中心とした街づくりに関わってもらいたい」と、その情熱は尽きない。
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