麻生区 文化
公開日:2024.01.01
記者まちかど探訪 お正月特別編
麻生区民のお雑煮事情は
読者アンケート しょうゆ味最多
新年の食卓を彩る料理といえば「お雑煮」。日本の伝統料理として、各家庭で親しまれている。
お雑煮は、餅や野菜などを一緒に煮た料理。起源は、平安時代、または室町時代と諸説ある。餅は、ハレの日に食べるおめでたいものとされ、年神様に備えた餅を野菜などと一緒に、その年の初めにくんだ水で、新年最初の火で煮て、正月に食べたことが始まりとされる。
農林水産省のウェブサイト「うちの郷土料理 お雑煮 東京都」では「室町時代、京都では丸餅に味噌仕立ての雑煮を公家はおもてなし料理として、上級武家は慶事料理として、正月以外にも食していた料理である。雑煮が身分に関係なく正月の祝い事に食べられるようになったのは江戸時代から」とある。
そのお雑煮、地域や家庭によって違いがある。同サイトによると「参勤交代などの文化の交流の中で雑煮は全国各地へと広がりをみせる」とあり、そこでさまざまな味へと変化していったことが推測される。
では、麻生区ではどんなお雑煮が食べられているのか。麻生区は、もともと農村地帯で、昭和40年代から宅地開発が進んで住宅地となり、多くの人が移り住んできた。
そんな麻生区のお雑煮事情を本紙では調査した。紙面募集、記者取材時の聞き取り、区内高齢者施設の利用者やイベント参加者に協力してもらい、100人から回答を得た。
「角餅」「鶏肉」が一位
アンケートの設問は、味(しょうゆ、みそほか)、餅の種類(丸餅、角餅、焼き餅ほか)、具材。その結果、味では、「しょうゆ(おすまし)」が82件と最多。次いで多かったのが「合わせみそ」の9件。しょうゆの中でも出汁に使われているのが「あごだし」「煮干し」「カツオ」「昆布」「白だし」「しいたけ」「鶏の骨」と答えてくれた人もいた。
農水省のサイトによると「当初は江戸も味噌仕立ての雑煮を食していたが、元禄年間になると下総の野田と銚子で醤油の生産がさかんになり、江戸っ子好みの濃口醤油の雑煮が確立されるようになる。このようにして、江戸雑煮は現在の醤油を用いたすまし汁になった」とある。東京に近い麻生区民は、江戸雑煮の流れをくむ地域の人たちが多いことが伺える。
餅については、「角餅で焼く」が68件で最多。次いで「角餅で煮る」が多かった。少数意見として「あんこ入りの丸餅」という答えもあった。
具材で多かったのは、「鶏肉」「人参」「大根」「小松菜」。葉物だと、「ほうれん草」「三つ葉」「白菜」を入れるという声も。少数派の具材は「いくら」「わらび」「鴨肉」「生麩」「ぜんまい」「ぶり」「鮭」などだった。
記者が聞いたところでは、輪切りにした大根をお椀の底に敷き、焼いた丸餅をのせるという人もいた。また代々高石に住んでいる男性は「しょうゆ味で角餅を煮る。鶏肉、小松菜、三つ葉、里いも」、代々黒川に住む男性は「しょうゆ味で焼いた角餅。ナルト、鶏肉、三つ葉、大根、里いも」と答えてくれた。2つの味を作る家庭も数件あり、「家の味というよりも妻の味」と話してくれた人もいた。
ご家庭でお雑煮を食べつつ、身近でも異なるお雑煮が食卓にあがっていることを想像するのも新年の一興かも。
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