休校支援の一環としてウェブ上で理科実験教室を行う「理科で遊ぼう会」の代表を務める 田中 皓(きよし)さん 淵野辺在住 79歳
「理科の『面白い』を感じて」
○…今から11年前に発足させた実験教室。現在は「休校中の子どもたちの学習の一助になれば」とウェブ上で運用し、遠くは九州からも申込がある。疑問を持つ子どもにはテレビ電話で対応し、実験成功まで一緒に試行錯誤する。「実験が成功する喜びを通じて、理科の面白さを知って欲しい」と笑顔を浮かべる。
○…東京都出身。東京工業大学で物理学を学ぶ。卒業後は主に北海道大学で専門分野である量子化学の研究に全身全霊を傾けた。「あの頃が一番、充実していたかな」。64歳で名誉教授の称号を得て北海道大学を定年退職。住まいを相模原に移す。一線を退いた後、思い出したのは大学で教鞭を執っていた頃から感じていた若い世代の「理科離れ」。そこで子どもたちに実験を通して理科の楽しみを知って欲しいとの思いから一念発起し、68歳のとき仲間と同会を立ち上げた。
○…好奇心が旺盛な子ども時代。小学生の頃から鉱石ラジオ作りに夢中になり、高学年からはレールの上を走る電車の模型作りに熱中した。内部のモーターの仕組みや作り方は近所の電気屋のおじさんが先生となって教えてくれた。物が動く原理を知った楽しさ、苦労して作り上げた時の感動は今でも理科分野を愛する礎になっている。
○…「『楽しかった』と言われることが何よりうれしい」。子どもたちが目を輝かせて実験に取り組む姿をやりがいに、積極的に活動してきたが79歳となった現在、更なる発展を願って若い世代へバトンを引き継ごうとしている。「代表を退いても思いを共にする人たちと、これからも理科や実験をきっかけに子どもの知的好奇心を呼び起こす手伝いをしたい」。立場が変わろうと、子どもたちの好奇心の種をまく活動はこれからも続く。
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