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公開日:2026.06.11
相模原食肉協同組合 66年の歴史に幕 最盛期には市内で185店舗が加盟
市内の精肉店らで構成される「相模原食肉協同組合」(杉山仲雄理事長)が、今年2月に解散していたことが分かった。最盛期には180店舗以上が加盟し、市民の食卓を支え続けてきた同組合。現在は解散に伴う手続きを進めており、6月の定例会をもって事務処理を完了させ、66年の歴史に幕を下ろす。
「私が組合に参加した1970年当時は、市内で185もの肉屋が加盟していて、うちの店は毎日30万円ほどの売り上げがあった」。そう振り返るのは、同組合の理事長を務めていた杉山仲雄さん(82)。当時はまだ大型スーパーマーケットが出始めたばかりの時代。「大規模小売店舗法」(2000年に廃止)によってスーパーの閉店時刻が午後6時30分と定められていたこともあり、日が暮れると街の精肉店には数え切れないほどの客足が伸びた。店舗数も多かったため、組合を通じてフランクフルトなどを共同仕入れしていたという。
しかし、時代の潮流とともに大型スーパーが台頭し、個人商店は徐々に減少。近年、組合の加盟店はわずか13店舗にまで落ち込んでいた。組合を存続させるための維持費や会費などの負担が13店舗に重くのしかかり、「これ以上の継続は難しい」と、全員一致で解散への舵を切った。
業界関係者は「相模原は土地が広くスーパーが進出しやすかったため、それが精肉店の減少につながった。逆に、まとまった土地が見つかりにくい横浜などはまだ小さな商店会などが比較的残っている。その中には精肉店もあり、地域の組合も維持されている」と話す。
事業継続に課題
組合の解散とともに、杉山さん自身も50年以上守り続けてきた「手造りハム・ソーセージ クライフ(旧・杉山精肉店)」(上溝)の暖簾を下ろす決断をした。転機となったのは、息子の博之さんが同店でハム・ソーセージの製造を始めて以降30年ほど使っていた燻製機の故障。「買い替え費用が1400万円。自分が数年でリタイアすることを考えたら、ここで辞めちゃった方がいいと思って」。博之さんがその技術を高く評価され、すぐに食品メーカーへの転職が決まったことも、杉山さんの背中を押した。
地域支える「小回り」
街の精肉店を取り巻く環境は、数十年で目まぐるしく変化している。以前は杉山さんの店をはじめ、地元業者が近隣小学校に肉を届けていたが、学校給食が入札制度へ移行してからは、価格競争によって市外の安価な業者が落札するケースが増えたという。
しかし、地域の精肉店の役割が失われたわけではない。現在、市内に残る精肉店の多くは、保育園や個人飲食店への納品・卸業で経営を維持している。「園児のために肉を細かく切ってほしい」といった要望に対応できるなど、個人店ならではの「小回り」の利く姿勢が強みだ。
「肉屋だけでなく、魚屋も八百屋もみんなダメになっていく」。杉山さんは寂しそうに漏らすが、それでも「個人店には地元ならではの良さがあるから、残っている店をみんなに利用してほしい」と話した。
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