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公開日:2023.07.13
地裁相模原に合議制を
25年導入へ 協議会設立
横浜地方裁判所相模原支部(中央区富士見)に1人ではなく3人の裁判官で審理する「合議制」による法廷の導入を求める協議会が7月4日に設立された。合議制導入を求める活動は、およそ20年にわたり弁護士会(神奈川県弁護士会相模原支部)と相模原市、座間市が続けてきたもので今回、民間団体や自治会などを構成員とする協議会を作ったことで「大きな一歩」を踏み出した。2025年の導入実現を目指す。
この「横浜地方裁判所相模原支部に合議制裁判と労働審判実施を求める協議会」は同支部の管轄地域となる相模原市と座間市の両市長をはじめ、両市にある士業団体や経済団体、労働者団体、住民団体、奉仕団体など約50の組織が参加する。同日、市内で設立総会が開催された。
協議会の目的は、同支部に合議制裁判および労働審判の導入を実現させること。3人の裁判官の協議によって審理する合議制は「より慎重かつ迅速に裁判官の判断を受けることが期待できる」とされている。
現在、同支部は1人の裁判官が事件を審理する単独制を採用している。同協議会によると、川崎、小田原、横須賀、相模原の地方裁判所支部のうち、合議制が行われていないのは相模原のみ。全国の政令指定都市でも相模原のみという。導入されない理由について、横浜地裁は「総合的な判断から」としている。
合議制が必要な案件の場合、裁判の審理は現在、横浜市中区の横浜地裁で行われている。公共交通機関を使って1時間20分程度かかるため、時間的にも金銭的にも負担が大きく、中には司法による救済自体を断念する人もいるという。合議制による丁寧な審理を受けられない不利益もあるとしている。
同支部の記録によると、合議制の実現に向け活動を始めたのは2002年。これまで市と協力し、懇話会や意見交換会の開催、リーフレットの作成など「地道な活動」を続けてきた。
齋藤守支部長は「これまで弁護士会内で活動してきたが、限界を感じた。市民の理解を得て一緒になってもらうことで、不利益の解消に繋げたい」と民間団体や自治会などの参加を喜んだ。
今後の活動について同協議会は、広く市民に合議制の重要性を訴えていくほか、衆参法務委員会への働きかけなどをしていく。24年秋に最高裁、横浜地裁、財務省へ申し入れ、25年のうちに合議制と労働審判導入の実現を目指す。
総会に参加した弁護士は「地道に行ってきた当該活動が遂に地域の民意を反映した活動として大きな一歩を踏み出した。これまで門前払いに近い対応をとってきた司法行政の壁に風穴を開けるような反響があることを期待したい」と話した。
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