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公開日:2026.07.09

市消防署員 東京タワーの階段レースで4連覇 590段を3分1秒で完走

  • レースを再現し署内の階段を上る立岡さん

    レースを再現し署内の階段を上る立岡さん

  • 勤務時のルーティンである懸垂

    勤務時のルーティンである懸垂

 東京タワー(東京都港区)で6月14日に開催された階段レース「東京バーティカルラン」で、相模原消防署の消防士・立岡弘和さん(51)が3分1秒のタイムで50代の部優勝を果たした。2024年の12月大会から年代別トップの座を守り続けており、今回で4連続優勝。総合でも412人中14位に入り、全国から集まった健脚自慢の中で存在感を示した。

地上150メートル目指して

 高層ビルやタワーの階段を駆け上がり、そのタイムを競う「階段レース」。国内各地で大会が開かれており、中でも東京バーティカルランは国内有数の大会として知られている。20回目を迎えた今大会は、小学生から80代まで400人を超えるランナーが参加。東京タワーの外階段590段を一気に駆け上がり、地上150メートルの展望台を目指した。

 立岡さんが初めて出場したのは2022年12月の第13回大会。競技を始めたのもこの大会がきっかけだった。初出場では総合166人中30位、40代の部5位。その後も着実に上位に名を連ね上げ、50代となった24年12月の大会で初優勝を飾った。以降は4大会連続で50代の部を制し、年代別王者として結果を残し続けている。

 一方、大会の参加者数も増加傾向にある。初出場時は166人だった参加者は、300人を超え、今大会は412人がエントリー。それでも総合14位に入り、レベルが上がる中でも安定した走りを見せている。

15階を10往復勤務時も懸垂

 4連覇を支えているのは、特別な設備ではなく、日常の中で積み重ねてきた鍛錬だ。立岡さんは学生時代から陸上やトライアスロンなどの陸上競技に親しんでおり、子どもが生まれる前はウルトラマラソンや、山道・林道などの未舗装路を走る「トレイルラン」にも挑戦していたという。

 15階建てマンションの13階に暮らす立岡さんは、およそ20年前からエレベーターには乗らず、階段しか使わない。3日に1〜2回のペースで、自宅マンションで212段のタイムを計測しながら10往復。それを30分から1時間ほどかけて繰り返し、24時間勤務を終えた休日でも欠かさず取り組むという。

 勤務中も懸垂20回の10セットを日課としている。「年齢を重ねても動ける体でないと職務を果たせない。消防職員は体力が資本だから、『この人は本当に助けてくれるのか』と市民を不安にさせないよう、体力維持は怠れない」と話す。競技のためだけでなく、消防士としての責任感も日々の鍛錬を支えている。

癖になる「爽快感」

 約3分間で590段を駆け上がる同大会は、全力で走り続ける過酷なレース。ゴール後は倒れ込むほどの疲労に襲われ「もう二度とやるもんか」と感じる一方、「上り切った時の景色は、登山で山頂に着いた時のような爽快感がある」と、その魅力を語る。

 優勝を重ねる今も、「1位の座を奪われるんじゃないかと、大会前は緊張して眠れないこともあります」と気が緩むことはない。それでも「今後も1位を守り続け、できる限り挑戦を続けたい」と、5連覇を見据えている。

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