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さがみはら緑区 人物風土記

公開日:2023.11.09

『ふじ野のじかん』を自費で出版した
さとう ますよさん(本名:佐藤益代)
牧野在住 64歳

藤野の魅力 手作りで伝える

 ○…藤野の自然の中で生まれた手作りの雑貨に旬の野草料理、里山の魅力がたっぷり詰まった「ふじ野のじかん」を出版。「ほとんど自分の力で作った」という渾身の一冊だ。「できないからやらないではなく、できることをやっていく」そう決めて、文章や挿絵、写真だけではなく、編集や画像ソフトも一から覚え、自ら制作。「時々は娘に相談したり校正を人に頼んだりはしたけれど」と照れ臭そう。印刷所にデータを届けると「やっと終わった」と達成感が溢れた。本の冒頭には「藤野の時間をつなげるためにこの本はできました」の文章が。「これは私の作品集じゃないの。昔のこと、地域のことを伝える本。たくさんの人に見てほしい」

 ○…藤野で生まれ育つ。「若い頃はここが嫌いで結婚してすぐ外に」と振り返る。それでも、子育てを機に戻ると、その魅力に改めて気付かされた。「昔は自給自足の藤野は10年遅れてるって言われた。それって今のSDGsでしょ?今じゃ20年進んでる、だって」と笑う。約30年前、自宅に工房「しぜんと遊ぶ」をつくり、訪れる人に藤野の魅力や自給自足の暮らしを伝え続けている。

 ○…クラフト作家や華道家、陶芸家などさまざまな顔を持つ。編集者や学校講師の経験も。それら全てが「藤野につながりこの本で実を結んだ」と晴れやか。運動も好きで学生時代はバスケ部に所属。昨今の日本選手の活躍に「強くなったなってうれしくなります」

 ○…毎年何かしら新しいことに挑戦している。「来年は機織りかな、機械をもらったから」と制作の虫がうずいているよう。「ものづくりに終わりはない。日々新しい発見がある。それを見付けるのが楽しくて」。眼下に広がる藤野の自然を見ながら、そう呟いた。

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