能登半島地震の被災地で支援活動を行った相模原協同病院DMAT(災害派遣医療チーム)が1月25日、同院で活動報告を行った。
同チームは医師1人、看護師2人、業務調整員2人の5人編成で、1月12日から19日まで、石川県珠洲市の珠洲市総合病院で、主に転院搬送調整、物資調達支援、病棟支援などを行った。
まず、業務調査員として活動した加藤貴彦さんは、現地に到着するまでを振り返り「石川県に着くまでに車で7時間、そこから珠洲市まで6時間かかった。石川県に入ると土砂崩れや家屋の倒壊、道路のアスファルトが割れており、車がパンクしないようにゆっくり進んで行った」とスライドを見ながら解説。「電気やガスは使えたが断水中で洗濯やシャワーが十分に使用できない」「調理師が不足していた」「近隣の避難所で感染症が増加していた」と現地の様子を述べていった。
遅れを痛感
続いて医師の菊地斉さんは、現地について「近隣の開業医は診察開始の目途が立っていなかった。道路状況が悪く、自衛隊車両や空路でないと行けない地域があり、被災状況の全てを把握できていなかった」と振り返った。その中で現地の職員の負担を軽減するために病床の減少、入院患者の後方搬送調整などに取り組んだと話した。さらに、物資については、「病院や避難所宛ての物資が届いても人員が少なく仕分けができない。必要なモノが必要な場所に必要なタイミングで届かなかった」などと課題を挙げた。
派遣期間を振り返り菊地さんは「震災が1日に発生し、12日に現地に着いたのにまだまだ交通が悪かったり水道が復旧していなかったり遅れを痛感した。相模原協同病院でも毎年訓練を実施しているが、机上の空論ではなくきちんと災害を想定して取り組まなければならないと感じた」と話す。
報告会の後には渋谷明隆病院長からチームの5人に感謝状が贈呈された。渋谷病院長は「まず、DMATの5人が元気に帰ってきたことがうれしいことで誇りに思う。災害でいつ助けてもらう番になるかはわからない。今回の報告を他人事と思わず、日頃からの準備や備えに活かしたい」と話した。
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