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公開日:2026.05.28

町田市企業誘致 鍵は団地の活用? 未来づくり研究所が提言

  • 「研究開発産業」「映像関連産業」「スポーツ関連産業」のイメージ=市提供

    「研究開発産業」「映像関連産業」「スポーツ関連産業」のイメージ=市提供

 町田市みらいづくり研究所はこのほど、2025年度の研究報告をまとめた。持続可能なまちづくりに必要な要素として、企業誘致を据え、迎え入れる敷地には団地活用の可能性を提示。報告は提言として市政運営の参考にされる可能性があるという。

 同研究所は市の政策経営部・企画政策課内に設置され、市職員に外部有識者が加わり調査・研究を行う組織。2013年から活動をスタートさせ、毎年度研究成果をまとめて発表している。

 25年度のテーマとなったのは「持続可能なまちづくり」。特に経済分野についての研究が行われた。

 念頭には将来の街づくりについてまとめた「まちだ未来づくりビジョン2040」や「町田市未来都市研究2050」で収支不足や赤字自治体化の懸念が指摘されていることがある。人口減少と少子高齢化による税収減や社会保障費増加によって財政悪化が引き起こされる可能性があるためだ。

 同研究では企業誘致はそういったリスクを回避する一つの手段になるとしている。法人関連の税収増加のほか、雇用先が増えることで若年層の定着を促すことにつながるためだ。

 市担当者によると、現状市内には一定の規模をもつ企業が少ないことが課題として挙げられるという。

3つのコンセプト

 では、どんな企業を誘致すればいいのか――。同研究所は現在の産業構造や人口構造のデータ、企業への聞き取り調査を経て、町田市に親和性の高い業種についてまとめた。町田に合う企業として導き出されたのは「研究開発産業」「映像関連産業」「スポーツ関連産業」の3分野。

 「研究開発産業」は立地的な優位性があるとした。町田市は都心部と神奈川西部の工場エリアの中間に位置し、都心に比べ土地価格が低い。また、大学が多く高速道路等による交通アクセスにも優れることから、都心に本社を構え、生産を神奈川の工場で行う企業の研究開発施設需要があるとした。

 「映像関連産業」は現在でも映像企画会社や海外資本のアニメ制作会社が存在することから浮かび上がった。高速道路の近さから各地の撮影現場へと向かいやすいことが優位性として挙げられる。

 そして、コンテンツ産業の集積を図るために提言されたのが大型スタジオの建設だ。市によると国内、特に関東地方には大型スタジオが少ないという。しかし、都心に比べ土地を確保しやすい町田市であれば建設の余地があり、市内への映像関連産業の集積を見込むことができるとした。

 「スポーツ関連産業」はサッカーを中心とし複数のスポーツチームが市内にあることが基になっている。スタジアムやアリーナ、研究所、病院などを一体的に整備することで、スポーツ産業、健康長寿産業の集積を促進し、新たなビジネスが生み出される可能性を示している。

職住一体の街

 町田市に企業誘致を進めるなか障壁となるのが迎え入れる土地の確保だ。都心より容易とはいえ、町田で新たに大規模な土地を確保することは難しい。その打開案として示されたのが他の都市に比べ数や規模が大きい市内団地の活用だ。

 背景には現在の団地が建て替えの時期に差しかかっていることもある。そこで、ただ新しい住宅に建て替えるのではなく、住居や商業施設、オフィスを一体的に備えた拠点を作ることで企業誘致にもつなげようというアイデアだ。市担当者は「現在の団地を壊して、建て替えたり、オフィスのみを作るという案ではない」と話す。

 なお、活用できる団地として想定されているのは町田駅に近い森野住宅だけでなく、市内全域だという。現在は駅から遠い団地でも多摩モノレールの延伸で利便性が向上することもあるためだ。

 提言は3月に稲垣康治市長や各部署職員、市民に向けて説明された。今後、政策に生かされる可能性があるという。

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