「ついに100人目が出た」――。健康維持のために登山を楽しんでもらおうと高尾山薬王院が企画している「健康登山」。登山1回ごとに境内にある護摩受付所で1回スタンプを押してもらい、スタンプ21個で手帳1冊が終了(満行(まんぎょう))。この手帳の100冊目が終わること(登山2100回)を「成満(じょうまん)」という。
高山芳良さん(裏高尾町在住・80歳)は2015年12月12日の登山で晴れて100人目の区切りの成満者となった。最初のスタンプの押印が2009年の5月。以来登山を続け、6年8か月ほどかけて達成した。
1日に何度も
山好きの義理の姉が高尾山登山の話題で妻と電話で盛り上がっているのを聞いて「子どもの頃から近くに住んでいるのに知らないでバカにされないように」と登りはじめた。やるからには徹底的にと1か月間毎日のように、1日に何度も登った。やがて健康登山にも挑戦し始めた。一番数多く訪れたのは自宅から近い水行場の脇を通り抜ける蛇滝コース。「最初のうちは週に何度か登る程度だったが、手帳が50冊以上になってくると楽しくなって」。健康登山に参加している人の特徴について高山さんは「歩きながらゴミを拾ったり、雪かきをしたりと、それぞれの登山者が『自分が登る山だから』と何かしらの活動をしている人が多い」という。
また、高山さんは健康登山を続ける中で「日本百名山」にも興味を持った。10年から挑戦しはじめ、当時ちょうど高速道路が一律1000円だったこともあり、週末になると、全国に車を走らせ車中泊をしながら4年かけて制覇。「いつまでも健康でいられるとは限らない。登れるうちに登りたい」。そんな気持ちが原動力だったという。
おかげで健康
高尾山へは昨年の年始から1日も休まずに登った。「それができたのは健康だから。登山のおかげで健康になれた。登っていると風邪もひかない」と笑顔。成満した今は、毎日登らなくてはいけないというプレッシャーから解放されたようだ。「でも、急にやめると体調を崩すからね。これからも続けられるだけ続けていきたい」
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